とあるまさおの討論録(ディベートログ)

とあるまさおの討論録(ディベートログ)

まさおがディベートについて思ったことをつらつらと書いていきます。ご自身の意見等あれば是非コメントしていただきたいです。Twitter→@masaoopen

R12:Nagoya Debate Open振り返り

どうもこんにちは。実は課題とか就活の色々とかで忙しいんですが忘れないうちに大会の振り返りをしようと思い。

結果としてはGrand Finalまで進出することができ非常に嬉しかったです。
しかしチームでは4勝ブレイク&Grand Finalistなのに全員オープンのスピーカープライズに入らずかつGF爆死したり
個人レベルでも基礎の徹底ができてなかったりGFで問題ばかりの非常に恥ずかしいスピーチをしてしまったりと問題点は山積みです。

 


1:チームに関して

2:個人に関して

3:各ラウンドの簡単な振り返り(備忘録用)


という流れで書きたいと思います。

 

 

1:チームに関して

わがままチーミングで有名(らしい)まさおですが、今回はKDSのばばたくあ君(以下ババ)に加えおなじみのジョシュアという3人で出場しました。
地理的に離れていて会えないかつ各自忙しかったためプレパ練習もLINEで1~2回しただけでしたが、当日は驚くくらいプレパがスムーズでした。

要因としては

①そもそも思考のタイプが似ている
皆Principle全振り脳、本質追求したい哲学者タイプみたいな感じでした

②2人とも頭の回転がめちゃくちゃ速い
数分ブレストの時間取ったらもう戦略が立っていました。まさおさん置いてけぼり(´・ω・`)

③ある程度メインの司会役をババに任せた
きちんと司会を作ったので議論の紛糾や四散はあんまりなかったです。以前Taiwan Debate Openの振り返りに関して「3人での議論」より「1対1を2か所作る議論」の方がスムーズと書きましたがそれと同じな気がします

④みんなある程度メタ視点とかを持てる人物だった
特にババとまさおはほぼほぼWhipマンみたいなもんだったのでディベートの全容を考えてシェアするのは非常に容易でした

とかがあったかなあと思います。

これらに加えて意識的にチームで気を付けたことに以下の様なものがあります(詳細/具体例は各ラウンドの振り返りで書こうかと)

①相手のアーギュをきちんと予想&共有する
プレパの最初はもちろん、適宜確認していました

②自分たちのアーギュメントのKey wordsを共有する
「結局何の話するの?」という話の展開の軸になる部分をきちんと意識的に共有することで自分たちの本筋から逸れた議論は出なかった気がします

③出したいニュアンスを練り上げそれに適した表現を考える
どういう意図の話でどこまでのBOPを背負いたいのかというニュアンスを共有していたためConsistencyが形成されたかと思います。また1stから価値につながる分析やニュアンスを出せていたため後ろから延ばす際も容易でした

但し「各issueを1本の線/ストーリーに繋げどう勝つのかを示す」という点はチームにおいても、また僕個人においても改善の余地が大きくあった様に感じました

 

 

2:個人に関して

事前打ち合わせの段階で「ババが2nd/Replyで相手を叩きのめしてまさおはWhipで猿にもわかるRFDを作る」という戦略を立てていました。2日間計7Rしましたが満足にRFD作れたスピーチはぶっちゃけなかったと思います。それだけ自分のスピーチパフォーマンスには満足していません

ですが気を付けていた、あるいは実践できたことはいくつかあります

①BOP及び前提となるissueの整理
②相手に大きくコンシードしても勝てるという話

上記2つは要は枠ごと相手を蹴っ飛ばすイメージですね。細かいとこ反論するの大変ですし。これはRFDに入ることも多かったので効果はあったように感じます。加えて

③そもそもの価値判断をひっくり返す
④Even ifをしたうえで残る話を上に乗っける

というのも意識はしていました

しかしものすごく当たり前なことなのに、「直前のスピーカーに反論する」というのが全然できてなかったです。成長しないとですねえ

ちなみに本大会では全然英語が回らないと思っていたんですが、録音したスピーチを聞いてみると別段遅いわけではないのに単語が詰まって聴きとりづらく、また中身も薄くなってました
自分の印象だけでなくきちんと客観的に振り返るの大事ですね

 

 

3:各ラウンドの振り返り

以下長いです、あとMotionのWordingうろ覚えですがご了承ください

 


R1
THW prohibit media from reporting on the mental illeness of those who accused of crime.
(Opp)

Govの話はStigmaとかDiscriminationだろうと予想し
1:そこで勝つ(報道から知るほうが何も知らない/ネットから仕入れるよりマシ)
2:周囲の人/社会のself-protectionの様な話
3:ふわっと知る権利とメディアのResponsibilityの話をのっける
って感じの戦略に。

GovのPremiseがメディアの偏向報道だと感じたため

BOP的に相手をdisる
偏向報道だけが問題ならbanじゃなくてregulateでええやん(LOから出していた)/Competitionとかで自然に変わる

最悪mental illenessの人々にとって悪くても社会や個人のself-protectionが大事という話をハイライト

実際mental illenessの人々にとってもよい

という話をしました

 


R2
THW prohibit criminals from profitting from the publicity of their crime.
(Gov)

Oppの話なんなんだろうねー、poorとかなんかなあ
とか予想してたらプレパ終わってました(絶望)

・出版自体は良いが利益を得るのは禁止
・お金を稼ぐ/利益を得る方法としてimmoral
・victimに対してinsulting
・得たお金を悪用する

とかアイディアは出てましたが大分ごちゃった挙句なかなかに良くない試合を展開。

Oppの話は
・リハビリ終わったから権利奪ってはいかん
・Criminalの実体験に基づく意見とかを出すのはディスコースにとっていい、だからfinancial incentiveあげてもいい
・何が良いか悪いかはabsoluteじゃないからディスコース大事

って感じやったのでWhipでは

・別にCriminalだからじゃなく誰であってもimmoralなことして利益得たらあかんのやで
・出版が大事なら全犯罪者に強制的に本書かせればいいのでは?何で稼いでいいの?
・good/badのvalueが絶対ではないならなんで法律作っていいの?
ディスコースのためであってもDignityをinsultしたらいかんのやああ

みたいな謎ビッグワード連発うんこスピーチかましました。
でもこんなのでも評価されざるを得ないくらいには良くない試合だったようです。猛反省

 


R3
THBT politicians should not use sensational rhetoric in public.
(Gov)

Oppの話はquick decisionとか結局citizenあほやから政治家がある程度nudgeしてもいい、とかなんかなあ
と予想してました。
実際にはがっつりpolitical participation / apathyで攻められました(バカ)

この試合実はチームで勝ち方をあんまり共有できてなかった説あるんですが、僕の中では「citizenのpure consent / reflectionが大事で政治家がactiveにnudge / manipulateしてはいけない」というPrincipleで勝とうという感じでした。
実際にはトランプ/ドゥテルテ批判してPracticalに悪そうなニュアンスも出てましたが。

ふわっとしがちなPrincipleや価値判断がいっぱい出たラウンドだったので前提を切ったり線引きしたりしました。

・top down politicsはたまには大事(from LO)
→議会では良いけど選挙期間や市民との交流(=in public)ではそうじゃないよね

・more participation大事、難しいマニフェストとか分からない人にとってrhetoric大事
1:自分で考えて不参加を表明したなら問題ない
2:その理由は「議論が活性化するから」だから結局プラ依存。ディスコースはなんならGovの方がベターになる
3:なんならapathyはOppの方がやばくね?
4:開き直ってアホはVoteするな(主にDPM, GRで)

って感じで対処していきました

トレイニーのDecisionはOppだったらしいですがChairからVoteをもらえたため何とか勝利

 


R4
THBT Japan should actively attract and accept mass immigration
(Opp)

あーやりたくねーって感じでしたが上のgive more votes to the youngをvetoしたためこのMotionに。プレパ中からも出生率上げる方がベターな理由わかんねえなーって感じで試合スタート

Govのモデルは経済特区作って外国資本呼び込もうぜって感じで「うわー反論しづらいなー」って感じでまあ絶望

とりあえず移民はどうせ給料送金したり海外に帰ったりするから出生率の方が安定してる、みたいなようわからんやつ投げたあと相手に反論していきました

相手のPremiseが「外資系と取引が増えると旧日系の文化(年功序列とか)が変わるから良い」という感じに聞こえたのでそこだけ全力で潰そうと思いました笑

僕的には渋い感じでしたがチームメイトのおかげで勝ってたため見事全勝ブレイク達成、わーい

 


QF
THR categorization of sexual orientation
(Opp)

Govはcategorizationがcoerciveとかmisunderstandingを生む、みたいな感じだろうと予測。まあ一番強そうなのはCategorization is principlly wrongだと思ったもののそれは「結局理想って達成できないから現実的に考えないといけないよね」みたいな感じで返せるだろうと判断

こちらのキーワードは"community"及び"recognition"の2つで、カテゴリーあった方が認知広まって社会的に良くなるし、万一そうでないとしても「カテゴリー」に基づいたコミュニティ形成みたいなのBeneficialだよね、って感じでした

あんまり押せなかったけどもっと強く言えたなあと思ったのが「sexual orientationのカテゴリーが無い世界ではsexual identityのカテゴリーに対する認知だけが広まってるから、gay / lesbianがtransgenderと勘違いされてアカン」というアーギュ

しかしWhipとして直前のスピーカーにきちんと対応できてなくって良くなかったです、反省

ちなみにブレイクラウンドだし笑いがとりたいと思って「俺がこのホワイトボード好きな人やったらそういうカテゴリーあった方が自分の秘めたるホワイトボード愛に気づけるし、仲間がいるって知れて嬉しいやろ!」みたいな謎イラストを投下した結果、みんなから苦笑されました(´・ω・`)

 


SF
Assuming technlogy, as a debating community, THW make debaters completely anonymous in round rooms
(Opp)

この試合はまじで楽しかった、今までで一番と言っていい位じゃないかと思います。
まずVetoの段階から「下(hard workingのやつ)は面白くないからvetoしよう」と意見が一致したためディベーターMotionになることが確定笑
そして相手はR4でも試合したくぼくん・まーくさん・スティーブンセンのチーム。彼らゴリ強いし「負けたとしてもいいから楽しもう!」って感じで試合に臨みました

GovはやっぱりオーソリVoteのケースが一番強いよなあということで、そこはmitigateしつつ
ジェスチャーとかの個人を特定するのにつながりそうな要素も人を説得する方法の1つ
・そういう方法で説得したら駄目だとしても皆が楽しかったらええやん
で勝とうということに

個人的には「オーソリVoteとか起きたとしてもそれはジャッジが競技に負けたというだけでディベートという競技全体として見たら悪くない」という反論好きです笑

試合が終わった後は結構本気で「負けても楽しかったからいいや」という感じに思ってましたが、3-2で割れた結果勝ってました。やっぱり勝った方が楽しいですね笑

 


ということで人生初のGFへ。

 


GF
Assuming that a pill which significantly decreases IQ but places perpetual happiness has been discovered, THW ban a pill.(Wording特にうろ覚え)
(Gov)

3人ともプレパでテンション上がりすぎて帰結ベースでなくアイディアベースになってしまった結果、結局個人のChoiceを否定するという帰結を強く推せずに敗北

特にWhipからはせめてde-fact forced choiceとharm to othersくらいは丁寧にフレームして押せばよかったと反省しています

 

 

 

僕らのアーギュメントはこんな感じです。別段変な物はなかったかと思います

人によってはケースやスタンスの段階からめちゃくちゃ反論しづらいものを出してくる方がいますが、そういうチームと当たると試合が始まるまでが怖いですね笑


まあ結局、普通の事を普通にやる能力が一番ベースには必要ですね。