とあるまさおの討論録(ディベートログ)

とあるまさおの討論録(ディベートログ)

まさおがディベートについて思ったことをつらつらと書いていきます。ご自身の意見等あれば是非コメントしていただきたいです。Twitter→@masaoopen

R13:AsianのWhipとか雑感(去年のTaiwan Debate Openより)

(本文章は以前Facebookのノートに公開したTaiwan Debate Open2017の振り返りで書いた内容を修正したものです)

 

これ投稿する前に気づいたんですが、味方のリコンストとかの話がすっぽり抜けててゴミWhipみたいになってるのでいずれ別に投稿します・・・

 

ちなみに僕は味方が何を言っていようが、どう足掻いても自分のWhipスピーチ(RFD)に入らないと判断したら切り捨てます笑

まあ、そうならないようにチームで戦略を作るのが大事なんですが(;^_^A

 

それはさておき、

僕はAsian StyleでWhipをやることが多いので、私がAsianでWhipをするときに何をしているのかを書こうと思います。

もちろんチームによって詳細は異なりますが、大体こんな感じを理想としてやろうとしてます。

 

 

①:プレパ中

 

1:Motionの意味を深く読んでいく

Vetoの段階やプレパの一番初めにチームで確認をしてはいますが、その後もMotionの背景やWordingのImplicationなどを、「あー、あのMotionね見たことあるわ」という(進研ゼミ)バイアスに惑わされないよう注意深く読みます

 

THBT doctors should report suspected cases of domestic violence to the police regardless of victim’s consent.

THW mandate doctors to report suspected cases of domestic violence to the police regardless of victim’s consent.

THW no longer require victim’s consent to prosecute the guilt of domestic violence.

 

これらは全部微妙に違いますよね、そうするとBOPやフォーカスも違うと僕は捉えます。

 詳しく聞きたい方は僕に聞いてみてください

 

 

2:相手サイドの話を考える

相手が何を言ってきてどうやって勝とうとするのかを考えました。

数分間は完全に相手の気持ちで。

 

 

3:自分たちのメインのアーギュを考える

チームメイトともアイディアを合わせながら確認します

 

 

4:2と3より勝ち筋を考えてWhipで使う仮のClashやサインポストを作る

(3と逆な気もしますが)

完璧じゃないですし試合開始後に変わることもしょっちゅうありましたが、大事なのは「自分たちはどこの話で勝つのか/勝たなければいけないのか」に気づけたことです。それを簡潔にまとめてみることで重要なissueとかが整理できました

 

 

5:大きなコンパリを考える

相手のゴールよりもこちらのゴールの方が大事、というコンパリなどを考えました。(1stアーギュで使っていることもありますが)

これらはPrincipleのClashやPractical Impactの比較に組みこむ気持ちで考えてました

 

 

6:4と5よりコンストで出していてほしい分析を1st/2ndに伝える

試合全体のClashやコンパリを考えた際にコンストから出さなければいけない話はあると思うので、きちんとチームに共有します

 

 

7:いやらしいことを考える

試合の印象をいやらしく操作して勝ちに持っていけないか考えました。要は返答に困りそうなPOIとかを準備するとかですね。この時、逆に自分たちがされたら嫌なPOIを思いついたらチームで共有して話し合いました。

 

 

 

②:試合中/スピーチ

 

仮のサインポストをもとに、相手の話を聞きながら自分のスピーチを用意しました。

僕が気を付けていたことを以下書いていきます

 

 

1:反論は根底と帰結の部分

物量が多い相手でなかったとしても全部を絨毯爆撃の様に反論するのは難しいです。なので最も前提に近い部分と、帰結に関する部分のみ扱っていました。広く浅く、よりは狭く深く。

 

 

2:スピーチの型を大事にする

いつも同じようにスピーチをすることで話漏れをしたり詰まったりすることなくスムーズに話すことができました。(TDOの時はできていたのに最近できていない)僕の場合は以下のような流れを大事にしていました

 

A:Definition/Relevancyで勝った

⇒相手の話を全部キックアウトする

B:仮に相手の話が関係あるとしてもPrincipleで勝った

⇒そもそも価値観的にこっちが勝ってるから相手の話に全部コンシードしても勝ってる

C:仮にPrincipleで勝ってないとしてもメカニズムの前提(contextとかキャラ)でこっちが勝ってる

⇒相手の事象(benefit/harm)は発生しなくてこっちの事象(benefit/harm)のみ発生する

D:仮に相手の事象が立ったとしてもImpactの比較でこっちが勝っている

・基準の提示(Vulnerability, short/long term, alternativeの存在 etc.)

・その基準の重要性を説明

・その基準で勝っていることを説明

⇒メカニズムに全部コンシードしてもPractical impactの比較で勝ってる

(以上がサインポスト2~3つ分)

 

で、アーギュメント1つの中は

 

サインポスト

なぜこのサインポストが重要か(自明な場合は省略/イントロ後にサインポストを言うときにここまで言うことも)

相手の話を引用

前提の指摘

反論

Even if前提が正しくても次の段階の分析やコンパリで勝つ・・・

 

という感じでした。

 

以下続けて、このスピーチの型の中で特に大事だと感じたことを書きます

 

 

3:重要性を考える

(後述の「前提の指摘」に近いところはありますが)

自分が考える/話す部分の重要性を考え説明することの利点は2つあると思いました。

 

A:そもそもなぜ重要かを説明できない話などするべきではない

自分のスピーチを準備する段階で「それがなぜ大事か?」が思いつかなかったとき、決まってそれはジャッジから「それそんなに大事じゃなくない?」と言われる部分です。他の事を説明することに時間を費やす方がいいです

B:自分のスピーチの試合における位置づけが伝わる

自分がジャッジをするときも感じることですが、Asianの様に分析が乱立した際は後ろからいい分析を出されてもどう評価したらいいのかに困ることもあるので、それをジャッジに伝えることで自分の思った通りに評価してくれ、結果勝ちにつながることが多かったと思います。

 

 

4:相手の話を引用する

どこに反論するのかが分かりやすくなるため評価されやすいと感じました。(このやり方は先輩のスピーチを真似してやり始めたことです。先輩はやはり偉大です)

 

 

5:前提の指摘

反論をする際に相手の前提を丁寧に指摘することの利点は2つあると思いました。

 

α:「この反論最強だぜ」感が出る

相手の前提を切っている以上そこから先は全部死んでる、ということがアピールできました。

TDO R4:When educating the public about sexual abuse, assault and harassment. THW always speak of all genders and never emphasize the protection of women

でGovが「男も女も全部強調する」とずっと言っていたのをOWから「全部強調するのは無理。他と比べて余分に時間を使うことで初めて強調されるから、平等にすると子供とかは自分の事じゃないと思って興味を持たない」という反論をしたら大きく評価されたかなあと思います。(ジャッジからはチームで一番褒められましたがスコアは73点でした(死))

 

β:マターにnewの疑いをかけられづらくなる(気がする)

前提の指摘をせずに反論をすることがあまりないのとWhipでnewの指摘をされた記憶があまりないので、これをしないと評価されないのかは分かりませ。しかし少なくとも前提の指摘をして「これ反論ですからぁ!!」とドヤ顔で話していれば多少新しいかもしれないキャラクターとかメカニズムとかフリップでも評価してくれました。

 

 

6:Even ifをする

基本ですがやはり大事です。議論を何段階かに分けて、1段目で勝った→Even if負けても2段階目で勝った・・・

としていくと勝ちやすいのかなあ、と思いました。

大事なのは綺麗なEven ifが出せなくても「コンシードしてますよ感」を出すことかなあ、と。

 

 

7:コンパリをする

(6と逆かもしれませんが)

結局相手の話を反論で削りまくっても、自分たちの話が残っていないときは負けるのだなあと。TDOのQFとかはジャッジに「相手の話はよくわかんないしmotionにあまり関係なかったけど、君らの話は何も残ってなかったよ」みたいなこと言われた記憶があります笑

なのでExclusiveではない、とかnot importantという反論をした後は必ず、「じゃあなぜ自分たちの方が良いのか?」ということを話すのが大事です。

 

 

 

 

記事の内容は以上になります~

 

しかし去年(2017)のTaiwan Debate Openがもうはるか昔の様に感じますねー(現在2018)

R2で優勝チーム(WUDC Mexico SFのLee Chin WeeとBryan ChanとNatalie)にボコられたのとか、R6でAshishに79点をもらえたのとか懐かしい。。。

 

ちなみにTDOの音源R2~SF/GF?くらいまで全部あるはずなので欲しい方は言ってくださればお送りします~

 

 

今受けてる政治哲学の授業の内容とかPhilosophy Openの資料がやべえとか色々書きたいことはあるんですが目下忙殺されているところなのでいずれ・・・

 

ではまた。