とあるまさおの討論録(ディベートログ)

とあるまさおの討論録(ディベートログ)

まさおがディベートについて思ったことをつらつらと書いていきます。ご自身の意見等あれば是非コメントしていただきたいです。Twitter→@masaoopen

R14:Philosophy Open 2018 GFについて

どうも、まさおです
就活で忙しい(はず)なのにわざわざPhilosophy Openのために関東に行ってきたまさおです

 

今朝の地震で学校とバイトが休みになったので思わぬ休暇が降ってきました。でも余震が普通に怖いです(´・ω・`)

 

今回はGrand FinalのMotionについて少し思うところを書こうと思います。というのも現在授業で政治哲学を学んでいるのですが、まさにドンピシャで社会契約説の話がでてきたので、その授業で学んだことをMotionに絡めて書こうと思った次第です。

 

(以下に記す理論とかは全てその本から学んだことなので信憑性はそれ以上でも以下でもありません、あしからず)
(大会の感想とかは次の投稿にしようと思ってます)

 

GF Motion

TH opposes the idea of Social Contract as a rationale for citizens' obligation to obey the state's coercive decisions (such as laws and policies).

 

Info:
Social Contract is a political theory that attempts to justify coercion of citizens by the state by claiminig that the state exists because citizens agreed to establish it to promote common good.
This agreement is usually referred to as the Social Contract.


まず、社会契約説とは何なんでしょう?
ざっくり言うと「国民が政府の存在に合意したから政府の存在は正当化される」(=国民は政府の政策や指示に従う義務がある)という考えで、Why is the state justified?を説明する1つの理論です

 

細かく分けると何種類か含まれています

 

1:普通の(名前忘れました、そもそも名前あったっけ?)
―国民が合意したからOK、という普通のやつ
【問題点】
いや、合意してへんやん。どこにそんな契約書あるん?

 

2:tacit consent (暗黙の合意)
―「国からもらった利益を黙って享受した」「政府に投票した」「税金を払った」等の事実が国の存在に合意したという考え方
【問題点】
・国を離れたり利益やサービスを拒否することが難しいため実質forced choice
・合意の基の利益とそうでない利益を区別できない(welfareやインフラ、無償教育等)

 

3:hypothetical consent (仮説上の合意)
―もし無政府状態(anarchy)だったとしたら人々は国を作ることに合意するはずだから国の存在は正当化される、という考え方
【問題点】
無政府状態が世界に存在しないため検証不可能
・それでも国の設立に反対する人はいそう(radical anarchistとか)

 


まあ以上が社会契約説の概要です

 


あとこのMotionを考えるのにもう少し知っておいた方が良いと思われることがあります


〇社会契約説以外に国を正当化する理論は何があるのか?
〇国が無い(無政府状態)ってどういう状態なの?


〇社会契約説以外
主に2つあると思われます

 

1:Utilitarianism(功利主義
―社会全体の幸福を(他の方法以上に)最大化する限り、政府の存在は正当化される
【問題点】
・scapegoat(スケープゴート
―全体の利益を上げるためにminorityが苦しむことが求められる/正当化される
 Ex) テロリストとか犯罪者・はたまた冤罪の人を拷問にかけたり死刑にする→社会全体の幸福は最大化する

※これに対抗する理論としてIndirect Utilitarianismという考えがあります
Innocentの権利が不当に侵害される様な社会だと国民が常に不安に苦しめられるため結果として幸福が減っている、という考え
功利主義でもスケープゴートは認めません、って論じてます
あと幸福の量が数値化できるとassumeすれば、人権侵害とか冤罪による喪失の量がめっちゃ大きい、とも言えそうですよね


2:Fairness
―国からの利益を享受したら報いる義務があるため国の存在は正当化される
【問題点】
・合意が無くてもそれって成り立つの?
 Ex)バーでいきなり横のやつが酒を奢ってくれたからといって驕り返す必要なくない?


って感じです。まあ実際にGovが社会契約説の代わりとしてこれらの理論をsupportするかどうかは分かりません。試合の見せ方によっては必ずしもオルタナを出す必要もないと思われますし

 


無政府状態って?
ホッブズによる「自然闘争」みたいな考え方があります
政府がいない状態では人々はみんな争い攻撃し合う、少なくともその準備段階が続く、という考え方です。それには3つ理由があるとされています

 

1)リソースの制約:欲求が衝突しそれを満たす資源が限られているため、他者との競争や争いが始まる
2)不安:誰かに攻撃されるのではないか?他者の争いに巻き込まれるのではないか?という恐怖と不安
3)ザコでも強い人を倒せる:どれだけ強くなっても、数人に協力して倒されたりするかもしれない、という可能性

 

→欲求が完全に満たされることはなく、人は常に「更に」を求め続ける。そのため他者との争いが発生する
⇒本来なら争いが無い方が全体/個人の幸福が最大化されるのに、争うため幸福が減ってしまう
共有地の悲劇に近い)

 


☆この無政府状態を政府を作ること以外で解決しようという理論があります

 

1:Morality (Do not do onto others what you do not want others to do onto you)
無政府状態でもモラルによって人々は統率される、という考え(されて嫌なことは人にするな、という考え)
【問題点】
・ルールが無ければモラルは発生しないのでは?
・あったとして「誰かがモラルに背くかもしれない」という恐怖があるときに、先に裏切った方が得をするため結局モラルは守られないのではないか?(囚人のジレンマに近い)
・人々はShort sightedやから全体/長期的な利益とか無視してモラルを破りがち

 

2:law of nature (自然法
―罪を犯した人は被害者や第3者など誰かに裁かれるため平和は作られる
【問題点】
・リベンジが嫌だから誰も他人を罰しない
・Power Imbalanceのせいでやろうと思ってもできない
・そこまで力を持ってたらそれって国じゃないの?違いは何?

 


 


ですが最終的に、政府状態がこれらの問題を解決するとされています

 

1)リソースについて
⇒政府の管理と分配により少なくとも不平等さは改善され人々の不満も軽減
2)囚人のジレンマについて
⇒Punishmentを加えることによってShort termでその人にとってハームが大きいと考えさせることができるようになり、アホなことしなくなる
3)Power Imbalanceについて
⇒国の力は最強。警察とか

 

などなど

 

 

 


では実際のMotionについてまさおの独断と偏見に満ちた考えを述べようと思います


(再掲)
TH opposes the idea of Social Contract as a rationale for citizens' obligation to obey the state's coercive decisions (such as laws and policies).

 

Info:
Social Contract is a political theory that attempts to justify coercion of citizens by the state by claiminig that the state exists because citizens agreed to establish it to promote common good.
This agreement is usually referred to as the Social Contract.

 


⓪Motionの定義とExclusivityの整理
①Gov
②Opp

 

⓪Motionの定義など

 

このMotionはSocial Contract as a rationale for citizens' obligation to obey the state's coercive decisions
となっているので、おそらく本質的に問われているのは
△「state coercion to citizensはJustifyされうるのか」

◎「state coercion to citizensは『なぜ/どのような理由で』Justifyされるのか」
ということかなあと個人的に思います。理論上はほかにもstate coercionを正当化する考えはある訳ですし

 

 


そしてさらにこのMotionの範囲として

 

A:単に政治哲学の理論としての是非
B:現実世界への波及、この理論の有無が人々や社会にもたらす影響

 

が挙げられるのかな、と思います
(個人的に後者のBはかなり怪しい気もしてしまうので以下の説明では薄く留めておきます)

 


(以下、当日のGFで議論されていたことも拝借させていただきつつ簡単に書きます)

 

 

①Gov

1:そもそもコンセントしてない
がやっぱり一番強いのかなと。事実だし。
もし仮に

国民「とりあえず国の存在はまあOK」

となったとしても、どこまでコンセントしたのかが分からないため契約としてアウトです。


2:国民のせいにされる
国が失敗したとしても「でも君らコンセントしたよね?」って国民のせいにされる(かもしれない)
→国民がめちゃくちゃ意識改善してめちゃくちゃ国を厳しく監視しない限り国が改善しない


3:オルタナとの比較
功利主義とかは上手く説明出来たら優位性を示せるかもしれないですな
国がJustifyされるのは国民とのコンセントではなく幸福の最大化に基づく、と言えば幸福が最大化していないのは全て国の責任になるので

 


②Opp

1:コンセントの重要性

普通にコンセントの重要性を語ってみるのがいいのかもしれません

逆説的に合意の無い政治や政府を批判することもできるかもですね
ここでは国の存在意義が幸福とかの結果ベースではなくあくまでもrespect freedom and autonomyであることを説明すれば良いのかも
 


2:国民の政治意識が上がる(かもしれない)
国民に責任がある程度大きく委ねられる以上、政治意識が上がるかもしれません。なんでいいのかは説明しないといけませんが


3:オルタナとの比較でdisる/無政府状態やべえよ、と言う
GFでCOがやってた戦術ですね
ただGovも「Social Contractの基では国民が『俺こんな国に合意してませ~ん』ってもっと暴れだすから無政府状態になりやすい」とか言えるかもですな。僕にはちょっとよくわかりません

 

 

僕が今思いついているのはこんなところです

 

これらのPrincipleって実は普段よくやるMotionで使われる理論を深堀したものなので、理解しておくとそこでも使えるかもですね

 


今回はこんな感じで。

R13:AsianのWhipとか雑感(去年のTaiwan Debate Openより)

(本文章は以前Facebookのノートに公開したTaiwan Debate Open2017の振り返りで書いた内容を修正したものです)

 

これ投稿する前に気づいたんですが、味方のリコンストとかの話がすっぽり抜けててゴミWhipみたいになってるのでいずれ別に投稿します・・・

 

ちなみに僕は味方が何を言っていようが、どう足掻いても自分のWhipスピーチ(RFD)に入らないと判断したら切り捨てます笑

まあ、そうならないようにチームで戦略を作るのが大事なんですが(;^_^A

 

それはさておき、

僕はAsian StyleでWhipをやることが多いので、私がAsianでWhipをするときに何をしているのかを書こうと思います。

もちろんチームによって詳細は異なりますが、大体こんな感じを理想としてやろうとしてます。

 

 

①:プレパ中

 

1:Motionの意味を深く読んでいく

Vetoの段階やプレパの一番初めにチームで確認をしてはいますが、その後もMotionの背景やWordingのImplicationなどを、「あー、あのMotionね見たことあるわ」という(進研ゼミ)バイアスに惑わされないよう注意深く読みます

 

THBT doctors should report suspected cases of domestic violence to the police regardless of victim’s consent.

THW mandate doctors to report suspected cases of domestic violence to the police regardless of victim’s consent.

THW no longer require victim’s consent to prosecute the guilt of domestic violence.

 

これらは全部微妙に違いますよね、そうするとBOPやフォーカスも違うと僕は捉えます。

 詳しく聞きたい方は僕に聞いてみてください

 

 

2:相手サイドの話を考える

相手が何を言ってきてどうやって勝とうとするのかを考えました。

数分間は完全に相手の気持ちで。

 

 

3:自分たちのメインのアーギュを考える

チームメイトともアイディアを合わせながら確認します

 

 

4:2と3より勝ち筋を考えてWhipで使う仮のClashやサインポストを作る

(3と逆な気もしますが)

完璧じゃないですし試合開始後に変わることもしょっちゅうありましたが、大事なのは「自分たちはどこの話で勝つのか/勝たなければいけないのか」に気づけたことです。それを簡潔にまとめてみることで重要なissueとかが整理できました

 

 

5:大きなコンパリを考える

相手のゴールよりもこちらのゴールの方が大事、というコンパリなどを考えました。(1stアーギュで使っていることもありますが)

これらはPrincipleのClashやPractical Impactの比較に組みこむ気持ちで考えてました

 

 

6:4と5よりコンストで出していてほしい分析を1st/2ndに伝える

試合全体のClashやコンパリを考えた際にコンストから出さなければいけない話はあると思うので、きちんとチームに共有します

 

 

7:いやらしいことを考える

試合の印象をいやらしく操作して勝ちに持っていけないか考えました。要は返答に困りそうなPOIとかを準備するとかですね。この時、逆に自分たちがされたら嫌なPOIを思いついたらチームで共有して話し合いました。

 

 

 

②:試合中/スピーチ

 

仮のサインポストをもとに、相手の話を聞きながら自分のスピーチを用意しました。

僕が気を付けていたことを以下書いていきます

 

 

1:反論は根底と帰結の部分

物量が多い相手でなかったとしても全部を絨毯爆撃の様に反論するのは難しいです。なので最も前提に近い部分と、帰結に関する部分のみ扱っていました。広く浅く、よりは狭く深く。

 

 

2:スピーチの型を大事にする

いつも同じようにスピーチをすることで話漏れをしたり詰まったりすることなくスムーズに話すことができました。(TDOの時はできていたのに最近できていない)僕の場合は以下のような流れを大事にしていました

 

A:Definition/Relevancyで勝った

⇒相手の話を全部キックアウトする

B:仮に相手の話が関係あるとしてもPrincipleで勝った

⇒そもそも価値観的にこっちが勝ってるから相手の話に全部コンシードしても勝ってる

C:仮にPrincipleで勝ってないとしてもメカニズムの前提(contextとかキャラ)でこっちが勝ってる

⇒相手の事象(benefit/harm)は発生しなくてこっちの事象(benefit/harm)のみ発生する

D:仮に相手の事象が立ったとしてもImpactの比較でこっちが勝っている

・基準の提示(Vulnerability, short/long term, alternativeの存在 etc.)

・その基準の重要性を説明

・その基準で勝っていることを説明

⇒メカニズムに全部コンシードしてもPractical impactの比較で勝ってる

(以上がサインポスト2~3つ分)

 

で、アーギュメント1つの中は

 

サインポスト

なぜこのサインポストが重要か(自明な場合は省略/イントロ後にサインポストを言うときにここまで言うことも)

相手の話を引用

前提の指摘

反論

Even if前提が正しくても次の段階の分析やコンパリで勝つ・・・

 

という感じでした。

 

以下続けて、このスピーチの型の中で特に大事だと感じたことを書きます

 

 

3:重要性を考える

(後述の「前提の指摘」に近いところはありますが)

自分が考える/話す部分の重要性を考え説明することの利点は2つあると思いました。

 

A:そもそもなぜ重要かを説明できない話などするべきではない

自分のスピーチを準備する段階で「それがなぜ大事か?」が思いつかなかったとき、決まってそれはジャッジから「それそんなに大事じゃなくない?」と言われる部分です。他の事を説明することに時間を費やす方がいいです

B:自分のスピーチの試合における位置づけが伝わる

自分がジャッジをするときも感じることですが、Asianの様に分析が乱立した際は後ろからいい分析を出されてもどう評価したらいいのかに困ることもあるので、それをジャッジに伝えることで自分の思った通りに評価してくれ、結果勝ちにつながることが多かったと思います。

 

 

4:相手の話を引用する

どこに反論するのかが分かりやすくなるため評価されやすいと感じました。(このやり方は先輩のスピーチを真似してやり始めたことです。先輩はやはり偉大です)

 

 

5:前提の指摘

反論をする際に相手の前提を丁寧に指摘することの利点は2つあると思いました。

 

α:「この反論最強だぜ」感が出る

相手の前提を切っている以上そこから先は全部死んでる、ということがアピールできました。

TDO R4:When educating the public about sexual abuse, assault and harassment. THW always speak of all genders and never emphasize the protection of women

でGovが「男も女も全部強調する」とずっと言っていたのをOWから「全部強調するのは無理。他と比べて余分に時間を使うことで初めて強調されるから、平等にすると子供とかは自分の事じゃないと思って興味を持たない」という反論をしたら大きく評価されたかなあと思います。(ジャッジからはチームで一番褒められましたがスコアは73点でした(死))

 

β:マターにnewの疑いをかけられづらくなる(気がする)

前提の指摘をせずに反論をすることがあまりないのとWhipでnewの指摘をされた記憶があまりないので、これをしないと評価されないのかは分かりませ。しかし少なくとも前提の指摘をして「これ反論ですからぁ!!」とドヤ顔で話していれば多少新しいかもしれないキャラクターとかメカニズムとかフリップでも評価してくれました。

 

 

6:Even ifをする

基本ですがやはり大事です。議論を何段階かに分けて、1段目で勝った→Even if負けても2段階目で勝った・・・

としていくと勝ちやすいのかなあ、と思いました。

大事なのは綺麗なEven ifが出せなくても「コンシードしてますよ感」を出すことかなあ、と。

 

 

7:コンパリをする

(6と逆かもしれませんが)

結局相手の話を反論で削りまくっても、自分たちの話が残っていないときは負けるのだなあと。TDOのQFとかはジャッジに「相手の話はよくわかんないしmotionにあまり関係なかったけど、君らの話は何も残ってなかったよ」みたいなこと言われた記憶があります笑

なのでExclusiveではない、とかnot importantという反論をした後は必ず、「じゃあなぜ自分たちの方が良いのか?」ということを話すのが大事です。

 

 

 

 

記事の内容は以上になります~

 

しかし去年(2017)のTaiwan Debate Openがもうはるか昔の様に感じますねー(現在2018)

R2で優勝チーム(WUDC Mexico SFのLee Chin WeeとBryan ChanとNatalie)にボコられたのとか、R6でAshishに79点をもらえたのとか懐かしい。。。

 

ちなみにTDOの音源R2~SF/GF?くらいまで全部あるはずなので欲しい方は言ってくださればお送りします~

 

 

今受けてる政治哲学の授業の内容とかPhilosophy Openの資料がやべえとか色々書きたいことはあるんですが目下忙殺されているところなのでいずれ・・・

 

ではまた。

R12:Nagoya Debate Open振り返り

どうもこんにちは。実は課題とか就活の色々とかで忙しいんですが忘れないうちに大会の振り返りをしようと思い。

結果としてはGrand Finalまで進出することができ非常に嬉しかったです。
しかしチームでは4勝ブレイク&Grand Finalistなのに全員オープンのスピーカープライズに入らずかつGF爆死したり
個人レベルでも基礎の徹底ができてなかったりGFで問題ばかりの非常に恥ずかしいスピーチをしてしまったりと問題点は山積みです。

 


1:チームに関して

2:個人に関して

3:各ラウンドの簡単な振り返り(備忘録用)


という流れで書きたいと思います。

 

 

1:チームに関して

わがままチーミングで有名(らしい)まさおですが、今回はKDSのばばたくあ君(以下ババ)に加えおなじみのジョシュアという3人で出場しました。
地理的に離れていて会えないかつ各自忙しかったためプレパ練習もLINEで1~2回しただけでしたが、当日は驚くくらいプレパがスムーズでした。

要因としては

①そもそも思考のタイプが似ている
皆Principle全振り脳、本質追求したい哲学者タイプみたいな感じでした

②2人とも頭の回転がめちゃくちゃ速い
数分ブレストの時間取ったらもう戦略が立っていました。まさおさん置いてけぼり(´・ω・`)

③ある程度メインの司会役をババに任せた
きちんと司会を作ったので議論の紛糾や四散はあんまりなかったです。以前Taiwan Debate Openの振り返りに関して「3人での議論」より「1対1を2か所作る議論」の方がスムーズと書きましたがそれと同じな気がします

④みんなある程度メタ視点とかを持てる人物だった
特にババとまさおはほぼほぼWhipマンみたいなもんだったのでディベートの全容を考えてシェアするのは非常に容易でした

とかがあったかなあと思います。

これらに加えて意識的にチームで気を付けたことに以下の様なものがあります(詳細/具体例は各ラウンドの振り返りで書こうかと)

①相手のアーギュをきちんと予想&共有する
プレパの最初はもちろん、適宜確認していました

②自分たちのアーギュメントのKey wordsを共有する
「結局何の話するの?」という話の展開の軸になる部分をきちんと意識的に共有することで自分たちの本筋から逸れた議論は出なかった気がします

③出したいニュアンスを練り上げそれに適した表現を考える
どういう意図の話でどこまでのBOPを背負いたいのかというニュアンスを共有していたためConsistencyが形成されたかと思います。また1stから価値につながる分析やニュアンスを出せていたため後ろから延ばす際も容易でした

但し「各issueを1本の線/ストーリーに繋げどう勝つのかを示す」という点はチームにおいても、また僕個人においても改善の余地が大きくあった様に感じました

 

 

2:個人に関して

事前打ち合わせの段階で「ババが2nd/Replyで相手を叩きのめしてまさおはWhipで猿にもわかるRFDを作る」という戦略を立てていました。2日間計7Rしましたが満足にRFD作れたスピーチはぶっちゃけなかったと思います。それだけ自分のスピーチパフォーマンスには満足していません

ですが気を付けていた、あるいは実践できたことはいくつかあります

①BOP及び前提となるissueの整理
②相手に大きくコンシードしても勝てるという話

上記2つは要は枠ごと相手を蹴っ飛ばすイメージですね。細かいとこ反論するの大変ですし。これはRFDに入ることも多かったので効果はあったように感じます。加えて

③そもそもの価値判断をひっくり返す
④Even ifをしたうえで残る話を上に乗っける

というのも意識はしていました

しかしものすごく当たり前なことなのに、「直前のスピーカーに反論する」というのが全然できてなかったです。成長しないとですねえ

ちなみに本大会では全然英語が回らないと思っていたんですが、録音したスピーチを聞いてみると別段遅いわけではないのに単語が詰まって聴きとりづらく、また中身も薄くなってました
自分の印象だけでなくきちんと客観的に振り返るの大事ですね

 

 

3:各ラウンドの振り返り

以下長いです、あとMotionのWordingうろ覚えですがご了承ください

 


R1
THW prohibit media from reporting on the mental illeness of those who accused of crime.
(Opp)

Govの話はStigmaとかDiscriminationだろうと予想し
1:そこで勝つ(報道から知るほうが何も知らない/ネットから仕入れるよりマシ)
2:周囲の人/社会のself-protectionの様な話
3:ふわっと知る権利とメディアのResponsibilityの話をのっける
って感じの戦略に。

GovのPremiseがメディアの偏向報道だと感じたため

BOP的に相手をdisる
偏向報道だけが問題ならbanじゃなくてregulateでええやん(LOから出していた)/Competitionとかで自然に変わる

最悪mental illenessの人々にとって悪くても社会や個人のself-protectionが大事という話をハイライト

実際mental illenessの人々にとってもよい

という話をしました

 


R2
THW prohibit criminals from profitting from the publicity of their crime.
(Gov)

Oppの話なんなんだろうねー、poorとかなんかなあ
とか予想してたらプレパ終わってました(絶望)

・出版自体は良いが利益を得るのは禁止
・お金を稼ぐ/利益を得る方法としてimmoral
・victimに対してinsulting
・得たお金を悪用する

とかアイディアは出てましたが大分ごちゃった挙句なかなかに良くない試合を展開。

Oppの話は
・リハビリ終わったから権利奪ってはいかん
・Criminalの実体験に基づく意見とかを出すのはディスコースにとっていい、だからfinancial incentiveあげてもいい
・何が良いか悪いかはabsoluteじゃないからディスコース大事

って感じやったのでWhipでは

・別にCriminalだからじゃなく誰であってもimmoralなことして利益得たらあかんのやで
・出版が大事なら全犯罪者に強制的に本書かせればいいのでは?何で稼いでいいの?
・good/badのvalueが絶対ではないならなんで法律作っていいの?
ディスコースのためであってもDignityをinsultしたらいかんのやああ

みたいな謎ビッグワード連発うんこスピーチかましました。
でもこんなのでも評価されざるを得ないくらいには良くない試合だったようです。猛反省

 


R3
THBT politicians should not use sensational rhetoric in public.
(Gov)

Oppの話はquick decisionとか結局citizenあほやから政治家がある程度nudgeしてもいい、とかなんかなあ
と予想してました。
実際にはがっつりpolitical participation / apathyで攻められました(バカ)

この試合実はチームで勝ち方をあんまり共有できてなかった説あるんですが、僕の中では「citizenのpure consent / reflectionが大事で政治家がactiveにnudge / manipulateしてはいけない」というPrincipleで勝とうという感じでした。
実際にはトランプ/ドゥテルテ批判してPracticalに悪そうなニュアンスも出てましたが。

ふわっとしがちなPrincipleや価値判断がいっぱい出たラウンドだったので前提を切ったり線引きしたりしました。

・top down politicsはたまには大事(from LO)
→議会では良いけど選挙期間や市民との交流(=in public)ではそうじゃないよね

・more participation大事、難しいマニフェストとか分からない人にとってrhetoric大事
1:自分で考えて不参加を表明したなら問題ない
2:その理由は「議論が活性化するから」だから結局プラ依存。ディスコースはなんならGovの方がベターになる
3:なんならapathyはOppの方がやばくね?
4:開き直ってアホはVoteするな(主にDPM, GRで)

って感じで対処していきました

トレイニーのDecisionはOppだったらしいですがChairからVoteをもらえたため何とか勝利

 


R4
THBT Japan should actively attract and accept mass immigration
(Opp)

あーやりたくねーって感じでしたが上のgive more votes to the youngをvetoしたためこのMotionに。プレパ中からも出生率上げる方がベターな理由わかんねえなーって感じで試合スタート

Govのモデルは経済特区作って外国資本呼び込もうぜって感じで「うわー反論しづらいなー」って感じでまあ絶望

とりあえず移民はどうせ給料送金したり海外に帰ったりするから出生率の方が安定してる、みたいなようわからんやつ投げたあと相手に反論していきました

相手のPremiseが「外資系と取引が増えると旧日系の文化(年功序列とか)が変わるから良い」という感じに聞こえたのでそこだけ全力で潰そうと思いました笑

僕的には渋い感じでしたがチームメイトのおかげで勝ってたため見事全勝ブレイク達成、わーい

 


QF
THR categorization of sexual orientation
(Opp)

Govはcategorizationがcoerciveとかmisunderstandingを生む、みたいな感じだろうと予測。まあ一番強そうなのはCategorization is principlly wrongだと思ったもののそれは「結局理想って達成できないから現実的に考えないといけないよね」みたいな感じで返せるだろうと判断

こちらのキーワードは"community"及び"recognition"の2つで、カテゴリーあった方が認知広まって社会的に良くなるし、万一そうでないとしても「カテゴリー」に基づいたコミュニティ形成みたいなのBeneficialだよね、って感じでした

あんまり押せなかったけどもっと強く言えたなあと思ったのが「sexual orientationのカテゴリーが無い世界ではsexual identityのカテゴリーに対する認知だけが広まってるから、gay / lesbianがtransgenderと勘違いされてアカン」というアーギュ

しかしWhipとして直前のスピーカーにきちんと対応できてなくって良くなかったです、反省

ちなみにブレイクラウンドだし笑いがとりたいと思って「俺がこのホワイトボード好きな人やったらそういうカテゴリーあった方が自分の秘めたるホワイトボード愛に気づけるし、仲間がいるって知れて嬉しいやろ!」みたいな謎イラストを投下した結果、みんなから苦笑されました(´・ω・`)

 


SF
Assuming technlogy, as a debating community, THW make debaters completely anonymous in round rooms
(Opp)

この試合はまじで楽しかった、今までで一番と言っていい位じゃないかと思います。
まずVetoの段階から「下(hard workingのやつ)は面白くないからvetoしよう」と意見が一致したためディベーターMotionになることが確定笑
そして相手はR4でも試合したくぼくん・まーくさん・スティーブンセンのチーム。彼らゴリ強いし「負けたとしてもいいから楽しもう!」って感じで試合に臨みました

GovはやっぱりオーソリVoteのケースが一番強いよなあということで、そこはmitigateしつつ
ジェスチャーとかの個人を特定するのにつながりそうな要素も人を説得する方法の1つ
・そういう方法で説得したら駄目だとしても皆が楽しかったらええやん
で勝とうということに

個人的には「オーソリVoteとか起きたとしてもそれはジャッジが競技に負けたというだけでディベートという競技全体として見たら悪くない」という反論好きです笑

試合が終わった後は結構本気で「負けても楽しかったからいいや」という感じに思ってましたが、3-2で割れた結果勝ってました。やっぱり勝った方が楽しいですね笑

 


ということで人生初のGFへ。

 


GF
Assuming that a pill which significantly decreases IQ but places perpetual happiness has been discovered, THW ban a pill.(Wording特にうろ覚え)
(Gov)

3人ともプレパでテンション上がりすぎて帰結ベースでなくアイディアベースになってしまった結果、結局個人のChoiceを否定するという帰結を強く推せずに敗北

特にWhipからはせめてde-fact forced choiceとharm to othersくらいは丁寧にフレームして押せばよかったと反省しています

 

 

 

僕らのアーギュメントはこんな感じです。別段変な物はなかったかと思います

人によってはケースやスタンスの段階からめちゃくちゃ反論しづらいものを出してくる方がいますが、そういうチームと当たると試合が始まるまでが怖いですね笑


まあ結局、普通の事を普通にやる能力が一番ベースには必要ですね。