とあるまさおの討論録(ディベートログ)

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まさおがディベートについて思ったことをつらつらと書いていきます。ご自身の意見等あれば是非コメントしていただきたいです。Twitter→@masaoopen

R53:JPDU Autumn T 2023 Motion解説②

宣言通り秋TのMotion解説を続けていきたいと思います。

(宣言の割には更新が遅い)

 

まさお原案でないMotionについては以下をどうぞ。

 

debate-masao.hatenablog.com

 

まずはRound 3から。

THP a world with dominant norm that friendly/intimate relationships in business should be minimal, to a world with dominant norm that people should actively seek friendly/intimate relationships in business

 

ACの中では「人と人」の親密さとかを想定したMotionだったんですが、
ラウンド的には「企業と企業」の親密さとかの話が出ていた所も多かったようで、
思考の足りなさやWordingの甘さがあるなあと反省した部分がまずあります。

(Peopleと書いてあるから人の話、という説明は一応できますが、
Round 1でWordingを変えたように、誤解を招きかねないものはできるだけ排除した方が良いのは間違いないので)

 

 

 

◯Wordingの意図

原案はこれでした

THP a world with dominant norm that friendly/intimate relationships in business should be minimal

 

後半を何故つけたのかというと、試合全体のClarityのためです。

原案のままだと、Oppの世界はどの様なNormが存在するのか?というのが結構Unclearです。

日本社会に生きる肌感覚としては「親密な関係を重視する会社も、プライベートには踏み込まない会社も両方ある」って感じですが

それだとディベートがやりづらいので、敢えて後半にOppの世界では逆のNormがDominantですよ、と書いた形です

 

あとはもっと言えば、後半を書くとしても代名詞とか多用して短くすることは文法上は可能なんですが
それだとその代名詞が何を指しているのか分かりづらくなってしまうので、Clarityのために色々と諦めた部分はあります笑

 

 

 

◯考えるべき範囲の洗い出し

このMotionで考えるべき範囲をざっくり分けると、大体これくらいでしょうか

  • 社内の仕事:評価や昇進など
  • 社外の仕事:契約・発注など
  • 社内外の仕事における人間関係
  • 仕事に関係ない人間関係

 

仕事関連を細かく考えると、おそらくこんな感じで

  • 仕事の手続きが公平に行われるか
  • 仕事の生産性・結果が良くなるか
  • 仕事における苦痛や被害は減るか

 

人間関係を考えると、おそらくこんな感じ

  • 人間関係の構築は容易か
  • 構築される人間関係は良好なものか
  • 上記観点に関する、仕事/職場の人間関係と仕事外の人間関係の比較

 

かなと思います。

これらの大前提には、

  • 両世界のNarrativeはどの様なものか、人々はどのように受け取るか
  • 人々はどのようにIntimate relationshipをMinimizeしようとするのか(するようにForceされるのか)
  • 人々はどのようにIntimate relationshipをseekするのか(するようにForceされるのか)

という部分があります。

 

逆順で書いてしまいましたが、立論の際にはしっかり前提が抜け落ち無いように丁寧な流れ作りを心がけましょう

 

 

 

◯世界の具体化・イメージ作り

Gov

まず大事なのは、Govの世界でも「仕事の遂行に必要な人間関係は続くべき」という認識は残るという点ですね。

"Minimal"という表現を敢えて使った意図はこれですし、このモーションで一番好きな部分でもあります笑

 

詳しくはMinimum Minimal differenceとかでググッたら出てきますが、要はニュアンスとしては「必要最小限」ということですね

なので、このnormがどのように解釈されるかを考える必要があります

 

簡単に言えば

「業務に関係ない連絡は送ってくるな」

「退勤したらプライベートなので接触しない」

とかかなぁと個人的には思います

 

これをもう少し具体化して、人々がどのような生活を送っているか考えると

・職場の人と業務外の目的や時間で連絡を取ることは望ましくないので、ランチ時間や業務後のご飯・飲み会・交流会は基本的にしない

・仕事の人と仲良くなる必要も特にないので、趣味の話とかも別にしない

・必然的に、仕事・職場の外の交友関係に重きが置かれる

 

という感じかなあと思います

 

 

Opp

こっちはイメージが簡単ですね

古き良き日系大企業みたいなイメージ(よく知らないので偏見に基づく)です

 

ゴルフも飲み会も全力が当たり前、なんなら職場の人とは家族ぐるみの付き合いもしたりする

 

…というとなんだかGovに有利なイラストな気もしますが、要は「職場の人と仲良くするのは当たり前、暖かく良好な関係を築きましょう」って感じかなと

 

 

 

〇Argumentを考える

さてようやくGov/Oppのアーギュメントです。

(一応いうと、別にArgumentを出すのをもったいぶったわけではなく、「これくらい前提を丁寧に考えないと、ジャッジに伝わらないぞ」というのをお伝えしたかった意図が大きいです)

 

Gov

  • Relationship buildingの圧が強く、個人の生活や健康を阻害するため良くない
    • 圧が強い理由
      • Normのせい
      • 仲良くすることが会社全体・自分自身・相手の人みんなにとって良いことであると思うから
    • 断りづらい理由
      • 職場における上下関係、Power asymmetry
      • 変に断って関係が悪化しても面倒だと思う
      • Peer pressure同調圧力
      • 自分だけ仲良くしないと、仕事において不利に働くと思ってしまう
    • 生活や健康を阻害する理由
      • やりたくない活動に従事させられる
        • 業務外の飲み会、休日の遊びや交流会
        • 自分の管轄外の活動やボランティア
      • 仕事とプライベートの線引きが難しくなり、心身共に休まらなくなる
      • 飲み会とかが増えると単純に睡眠時間が削られ、出費が増え、健康に悪影響を及ぼす
  •  職場のRelationshipが特によくない理由
    (職場の外の人間関係をSeekする方が良い理由)
    • 職場の人間関係は自分で裁量を持って自由に選ぶことができるわけではないので、相性が悪い人も往々にして存在する
      • そのような環境で人間関係の構築・プライベートの共有を強要されるのは苦しい
    • 年齢が20-30歳ほど離れた人もおり、その環境が肌に合わない人もいる
      • 上下関係や圧力が嫌
      • 持っている価値観や趣味が大きく異なるので、交流が楽しくない(のに相手の好みに合わせなければいけない)
    • Govの世界では職場で友人を作ったり部活動をしたりすることがほとんどなくなるので、自然と職場外のコミュニティや交流が盛んになる(ので、Oppの「職場くらいじゃないと交流の機会がない」はMitigate可能)
  • 職場でのDeep relationshipは公平公正な業務を阻害する
    • 評価に私情が挟まれる
      • 仲いい人は能力を無視して不当に高い評価が得られやすい
      • 逆に、仲良くなろうとして積極的に交流を持つ世界だからこそ一部は仲の悪い人も生まれてしまい、その人は不当に評価が下がる
    • 私情が挟まれることがよくない理由
      • 仲いい/悪いは努力で変えられるものではない
      • 一部の人にのみ影響があり不公平
        (Govの世界では「みんなそんなに仲良くない(悪いわけでもない)」ので平等)
      • 特に「上司と仲良くなる」という行為は、Underprivileged, minorityにとって難しい行為
        • 上司のIdentityに基づいたProximity bias(性別、宗教、出身など)
        • 上司の趣味や好みを発掘して、そこにInvestする余裕がある人(ゴルフ普通に趣味として高くない?)

 

こんな感じかなと思います

まあArgumentの選択肢がとても広いというわけではないですが、1つ1つを深める話は沢山出るのと、

きちんとComparativeが何かという点を明示して話を展開するためにはClosingのExtensionも全然残るんじゃないかなと思います

 

 

Opp

  • 友好な関係があった方が職場の環境が良くなるため個人・企業にとってもよい
    • 精神的安全性
      • 周りに仲いい人がいることは快適である
        • 自分はこの組織のために頑張るんだ!と思える
        • 自分の頑張りもみんなが見てくれている、評価してくれる、と信頼できる
      • 無駄な不安に駆られることがない(陰キャ分析)
        • Govの世界だと、周囲の人はみんな「よく知らない人」になるので、「自分は周囲からどう思われているんだろう?」と不安になる
    • 業務上の効率・メリット
      • 仲が良いと、困ったことなどをすぐに相談することができる
        • 仕事のわからない部分
        • ハラスメントなどホットラインとしての機能
      • 交流を通じて周囲の人の性格や好みを深く理解できるので、業務の内容や働き方のスケジュール的に、その人に適した分担ができる
  • 人間関係や友好度合いが評価に影響を及ぼすのは(ある程度は)よいことである
    • Proximity biasはGovの世界でも存在する
      • 学歴
      • 「男・白人だから仕事ができそう、賢そう」
      • 「女性はEmotional laborが適している」など
    • 人間関係を構築する方が、上記Biasを直接RemoveするよりAccessibilityが高い
      • シンプルにUnchangeableなIdentityに基づくBiasが多い
      • 仲良くなるという行為は頑張ればできなくはない
    • 仲が良いとIntentional discriminationが減るうえ、意識的にBiasをRemoveしようと思ってくれる
      • 相談しやすい、問題を指摘してくれやすい
      • 仲が良いので「相手に悪いことはしないようにしよう」と思ってくれる
  • 職場での人間関係・交流は非常に貴重かつ重要であるので、そこで仲の良い関係を構築できる方が良い
    • そもそも人間が「職場」で過ごす時間はめちゃくちゃ多い
      • 睡眠を除くと平日の半分近くは仕事をしている
      • それだけ長い時間を過ごす場所であるならば、周囲と仲良い方が幸せである
    • 職場の外で人間関係を構築するのは難しい
      • 物理的に接触機会が少なく、自分からActively seekするのが難しい
      • オンラインでのコミュニティなどあったとしても、対面で交流する方が楽しいので劣る
      • 他の人も多くは仕事をしている、かつ/また家庭の時間を優先されるなどの理由で、「ただの友人」に割かれる時間は(特に歳を経るにつれて)目減りしていく
    • Govの世界ではMeaningfulな人間関係・友人との交流を持つことが難しい以上、多少PassiveだったりPressurizingであったとしても交流があった方が個人は幸せである

 

といった感じでしょうか。

日本社会を生きる人間としてはOppが結構当たり前ですが、

ディベーター的な目線だとGovの方がいいじゃん、とも思えるので、

 

個人のバイアス含めてもある程度はフェアで楽しいMotionなんじゃないでしょうか(と思いたい希望的観測)

ジャッジ達は不安よな。老害 動きます

前半:Scoringテストのお願い

後半:お気持ち表明

 

↑本来は前後逆なんですが、お気持ちを前半に置くとテスト協力者減りそうだなと思って入れ替えてます

 

~前半~

やりたいけど面倒すぎてずっとできていないことがあります

「このスピーチはこれくらいの点数です」というサンプルを大量生産して、ジャッジの目安にしてもらうことです

 

まず72点くらい、78点くらい、のスピーチを狙って録音するのが大変なのと、

ある程度信頼できるジャッジ数人にお願いしてその点数と正当性を集める必要があります

 

正直、すんごいめんどくさい

もう2年位はやりたいと思っていますが着手できた試しはないです

 

いい機会なので、秋T Motion解説に挟まる形ですが大事な一歩を踏み出すことにします老害

 

以下にPMスピーチ、Speaker ScoreのScale(WUDC)、Score回答フォーム、回答の集計結果を置いておきます。

匿名で集めるので、気軽に暇つぶし程度にスピーチを聞いて採点してもらえればと思います。

 

このスピーチに何点がつくかは全く重要ではなくて、

普段可視化されづらいSpeaker Scoreの付け方とその理由が色んな人から集まることが重要だと思ってるので

「うわー自分がつけたスコアみんなのと違うわ」とか思わずやってみてもらえたらと思います

 

Motion

THW replace human judges with AI judges in all parliamentary debate tournaments

(たまたま最近やったMotionがこれだったので採用してます。皮肉とかじゃないですすいません許してください何でもしますからん今何でもするって言ったよね何でもするとは言ってない)

 

PM speech:

Speaker Score test 20231109.m4a - Google ドライブ

 

Speaker Scale:(P49から。ジャッジマニュアルとして古いかもしれませんが、Speaker Scaleは大丈夫なはず)

WUDC Judge Manual - Revised November 2022.pdf - Google ドライブ

 

Speech score回答のGoogle Form:

Speaker Scoreテスト

 

集計結果のSpreadsheet:

Speaker Scoreテスト(回答) - Google スプレッドシート

 

 

こういうのは回答数が多いほうが参考になると思うんで、よければ拡散おねがいしまっす!

あと、できればバイアスない状態で回答してもらえたほうが良いと思うんで

集計結果のファイルは回答までは見ないでもらえると良いかもです

 

ブログ公開後数時間とかだと大した数無いと思うんで、

気長にちょくちょく見てもらえると良いかもしれないです。

 

 

何ヶ月後かは分かりませんが、余裕とやる気と協力があれば、

色んな人の◯◯点スピーチを集めて公開したいな~と思っています。

 

 

 

~後半~

 

Speaker Scoreの付け方、ないし根本的なジャッジの質及びそれに対するブチギレ案件は毎年発生するし、多分今後も解消しないと思います
ディベート以外の競技でも頻発)

 

「あ、今年も花火の季節か~」くらいの風物詩になってもらえたら良いんですがそうも行きません

 

ディベーターは普段ロジック中心で競技をしているからこそ、「人間は感情で動く生き物」ということを忘れがちだし、
無邪気・純粋な怒りに晒されるとびっくりしてしまうこともあると思います

 

「怒るな」も無理だし「イラジャするな」も無理ですもちろん

 

一番短期的な対応として有効なのは、「周りの人をケアすること」だと思います。

これが老害からのお願いです。

 

イラジャされたとおもってブチギレている人、イラジャしちゃったと思って悲しんでいる人、

イラジャと言われて落ち込んでいる人、自分が直接言われたわけではないけどイラジャディスコースを見て気分がブルーになってしまった人、

 

そんな人がいたら、ケアしてあげるのがすごく大事なんだと思います。

 

話を聞いてあげるもよし、

練習に付き合ってあげるもよし、

気分転換にディベートを休憩して遊ぶもよし、

一緒にお酒を飲んで「あいつはアホだ!イラジャめ!」って居酒屋で奇声を上げるもヨシ!(良くない)

 

ディベートを続けるにしても辞めるにしても人の自由なのはマジでそうですが、

嫌な思いをしない、嫌な思いを和らげることって大事だと思います。

 

今日からぜひやってみてください。

R52:JPDU Autumn T 2023 Motion解説①

有り難いことに老害Quotaの一貫として、秋TのACを務める機会をいただきまして

Quotaに恥じぬようMotionを沢山出してしまったので、それぞれどんな思いで出したのかという出題意図的なものや、作成者目線での解説、当日聞いた感想に基づいた改善案など書いて行ければと思います

 

1つのMotionでも分量が長くなりがちな私なので、まとめて投下というよりは小出しにしていければと思います・・・

(尚、この形式の大会Motion解説で完走したことはほぼない)

 

 

色々考えたんですが、とりあえず走り始めることが大事ということで

第一弾はまさおMotionでないものについて、AC会議でどんな事を話した結果の出題・Wordingになったのかというのをさらっと話していこうと思います

(深掘って解説するのは、私が原案を出したMotionにするほうが良いと思うので、それらは次回からということで)

 

まさおMotionはRound 3, Open Pre-SF, Open SF, Rookie GFなのでそれ以外を今回はサラッと触れます

 

 

 

Round 1

THW prohibit religious organizations from providing rehabilitation for addicts

 

最初は
THBT religious organizations should not open rehabilitation center for addicts
みたいなのだった記憶です

なんでWordingを変えたのかというと、「宗教団体が開所している病院・センターだからといって、Religious rehabilitationをしているとは限らなくないか?」となったからですね

宗教法人◯◯会が出資・創設した病院とか日本に結構多いイメージで、

そのイメージに引っ張られて想定外のディベートになると勿体ないなということで、

本当は最初のWordingの方がキレイだなと思うのですが、キレイさは何にも美味しくないので諦めてWordingを変えたという感じです

 

個人的なArgument, Clash想定を一応書いておくと

・Religious rehabilitationはAddictsのリハビリに効果的か(宗教や宗教団体の一般的な特徴に基づいたざっくりとしたClash)

・Non-religious rehabilitationとReligious rehabilitationはMutually Exclusiveであるか

・Religious rehabilitationは具体的に、Punitiveなものか、Merciufulなものか。それぞれどの様な効果があるか(細かいClash)

まあこんな感じかな、と思います

 

CGしんどいだろというお声はまあありつつ、Round 1はランダムで対戦相手が決まってPower matchにならないので

多少はFairnessを犠牲にしても面白さやEducation的な側面、MotionのDiversity優先してもよいだろうという意図でした

(Fairness大丈夫かどうかはACが夜なべして議論しました)

 

 

 

Round 2

THS the formation of the "Lithium OPEC"

Info:
South American Governments are considering the formation of a "Lithium OPEC", a cartel in which production, pricing, and export of Lithium will be controlled by an intergovernmental alliance as opposed to the status quo where the extraction industry is primarily lead by the private sector. Though Australia, Chile, and China lead global production today, South America holds more than half of the world’s identified Lithium deposits (Bolivia: 23.7%, Argentina: 21.5%, Chile: 11.1%, etc. (2022)).

 

IR-econのヘビーなMotionもあってよいだろうということでの出題です

Infoをよく読むと、「Extraction(採掘)はPrivateがやっているが、それ以降のプロセスをIntergovernmental allianceでやろう」というMotionであることが分かるかと思います

こういう複雑なMotionが来て「よくわからん」となった場合は、類似のMotionからClashや分析を持ってくるのをおすすめしてまして、今回だと以下のようなものが(比較的)優しめ、ないし過去に国内とかでも見たことあるMotionかな~と思います

 

◯国営 vs 民営(in 途上国)

・THBT developing countries should nationalize natural resource

・THBT developing countries should privatize state-owned utility service (e.g. water supply, electricity, etc.)

 

◯Intergovernmental alliance(Regional body、経済・政治・軍事等の協力を目指す国際組織やPartnershipを作る)

・THBT states should prioritize negotiating bilateral trade agreements over large regional agreements (e.g. the Trans-Pacific Partnership, the Regional Comprehensive Economic Partnership)

・THR the formation of the Quad
The Quadrilateral Security Dialogue (also known as the Quad) is an informal strategic forum between the United States, Japan, Australia and India that is maintained by semi-regular summits, information exchanges and military drills between member countries. The forum was initiated as a dialogue in 2007 by Prime Minister Shinzo Abe of Japan. The diplomatic and military arrangement was widely viewed as a response to increased Chinese economic and military power, and the Chinese government respond

 

話は戻ってこのLithium OPECのMotion、実は悲しきかな材料・商材としてのLithiumについてUniqueな分析って多分あまりContentiousじゃなくて試合のメインにならないんですよね・・・
(色んな電子機器・車などに使われていてとっても重要!くらい)

 

天然資源として、生産地やその後のプロセスをどの様なアクターが担うかという点はゴリゴリ争点になるので、

・South American country同士のInterestがどの程度近いのか

・PrivateとSA governmentsはどのように異なるInterest, Capacityを持っているのか

・Out of SAではどの様なアクター、競争相手がいるか

ってまとめるとシンプルですが超大変なClashを分析詰めていって勝ち取る感じですね~

 

 

 

Round 4

THS the implementation of San Pedro's prison structure

Info:
San Pedro is the largest prison in Bolivia and is renowned for being a society within itself. There are no guards inside the prison and police officers exclusively guard the outside of the prison only. Prisoners have to buy/rent the cells they live in, with a range of accommodation provided to them from worst to best. Prisoners can earn money from working in the prison as messengers, hairdressers, shopkeepers and many more. The prison holds annual elections to elect a leader and executives, similar to a regular cabinet.

 

危うくLatin America Openになりかけた要因の1つ、San Pedro Motionです笑

Infoを適当に要約すると

刑務所の中にGuardはおらず、完全に囚人の自治になる

・経済活動・政治活動・社会活動がおよそ刑務所外の生活と似たようになっており、囚人自身が経済活動をして、お金に見合った家に住んで、選挙で代表者を選んでルールを作る

という感じかなと思います

 

なんとなく話を聞いていると、終始「San Pedroの良い/悪い所、こんな部分があるよ!」という説明に時間を使いすぎて

そもそも現状の刑務所とのComparative analysisや「何がExclusiveに違うのか」という点が欠けていた部屋が多かったのかな?というのがなんとなくの印象です
(もちろんこれだけではないと思いますが)

 

「選挙でルールが決まる」って部分だけ引っ張って、「ゲキヤバ囚人が全てを牛耳って破壊するディストピア」アーギュメントを建ててOppが勝ちやすいんじゃないかって声をある程度聞きまして

ん~まあ確かにそうなるかもなあと改めて思ったものの、その辺りは

・Govのセットアップ(刑務所外の法律や憲法にある程度則った範囲のルール設定だけするのでは?とか)

・Extreme caseでしか無いというMitigation, frame outまで持っていく

・長期的にどのように改善するか

とかである程度頑張って欲しいという希望的観測論もまあなきにしもあらず、かなって感じです

 

ただ、ことBPにおいてOGのセットアップに試合が大きく依存するのはたしかに良くはないので、

その点を含めて諸々改善の余地はあったかな~、と思います

 

こういう大きな世界観やふわっとした感じになるMotionについては、Womxn's GFのReLife Motionの解説でも少し触れているので良かったらぜひ↓

debate-masao.hatenablog.com

 

 

 

Rookie SF

TH, as you, W destroy all the evidence of the human experiment

Info:
You are a researcher working for a corporation that is about to release a cure for a fatal disease that afflicts millions. You've been recently made aware that the research conducted involved several instances of underground human experiments which led to the speed in development. You have substantial evidence to prove this beyond reasonable doubt. Releasing this information will lead to the shut down of the research. You are the only one that has the evidence, and once destroyed, the evidence will never be discovered by anyone else.

 

おもしろActor Motion枠です

 

最初はちょっとInfoとMotionのWordingが違って「THW leak the fact of human experiment」とかに確かしてたんですが、

「他の人にLeakされたらやばいから先に自分がLeakしたほうが良い」というArgumentが強すぎるんじゃないか、となり

・人体実験の証拠を握っているのは自分だけ(どういう状況やねん)

・自分が証拠を壊したら他の人は誰も知らない(どういう状況やねん)

という2つの要素を入れるべく表現を諸々変えたりしました

 

Actor Motionということで、この人の主観に刺さる喜び/悲しみ等であればどんな分析も評価の俎上に上がってくるので
色んな方向から想像を膨らませつつ、

・全ての分析をきちんとActorのInterestに落とす

・何かしらのMetricを持ってきて相手のImpactとWeighingする(長期間続く苦しみ、Visibility、などなど)

という点は意識してもらえると勝ちやすいんじゃないかな、と思います

 

 

 

Open GF

THBT the deceleration of Chinese economy will do more harm than good for the Asian regional security

 

えー、GFでこのMotionを出すとStreamingからのOpt outが多発するんじゃないかという観点がすっかり抜け落ちていました(謝罪)

そっか、信条とかトラウマ的にDebateできるかどうかのOpt outだけじゃないですもんね…って普通に反省しました

 

このMotionは広いので、GeopoliticsとかEconomyの話がめっちゃ複雑に絡んでいるとは思うのですが
主な観点としては

・中国の経済が好調/不調である事自体が、アジア全体に直接的にどの様な影響を与えるか

・中国の経済が好調/不調であることは、中国のIncentive/Capacityをどう変化させるか(国内外への経済的・軍事的関心など)

・中国の経済が好調/不調であることは、アジア内外の他国のIncentive/Capacityをどう変化させるか

って3つくらいに収束されるんじゃないかな?って思います

 

後はIRだからとビビることなく、普通のCapital injection, infrastructure development, military tension, interdependenceとかの話を詰めていけば良いんじゃないでしょうか

 

やっぱIRとはいえ前提の国際平和の理論とか抑えておいたほうが、Motionやラウンドの解像度は上がるな~っていうのを

疲労にまみれて停止寸前の脳みそでジャッジしながら感じていました

 

なので、IR苦手って方は慌ててケーススタディを蓄えたりニュースを見たりする前に、

学校の授業、図書館の本、ないし先輩にレクチャーをお願いするとかの方法で基本的な国際政治/国際平和のTheoryを勉強するほうがコスパ良いんじゃないですかね?しらんけど。

 

ちょっと分厚いんですが、自分は↓この本とかを読んだりしてました

https://www.amazon.co.jp/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%B4%9B%E4%BA%89-%E7%90%86%E8%AB%96%E3%81%A8%E6%AD%B4%E5%8F%B2-%E5%8E%9F%E6%9B%B8%E7%AC%AC10%E7%89%88-%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%BB%E3%83%95%E3%83%BBS-%E3%83%8A%E3%82%A4-%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%82%A2/dp/4641149178

 

あとはKey wordとしてはHard power, Soft power, Nuclear Deterrence, Interdependenceとかですかね?他にもありそうですが

 

 

 

 

簡潔に書くとか言いつつかなり長くなっちゃったので、こんなところで終了としたいと思います・・・

次回以降は頑張ってまさおMotionの解説を深掘ってやりたいと思います