とあるまさおの討論録(ディベートログ)

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まさおがディベートについて思ったことをつらつらと書いていきます。ご自身の意見等あれば是非コメントしていただきたいです。Twitter→@masaoopen

R26:エデュケについて

こんにちは、すっかり更新が滞ってしまい申し訳ない?悲しいです(´;ω;`)(しかも完結してないPart1.ばかりの様な気がします)

 

大会報告はどこへやら、今回は長年の課題である「エデュケ」について書こうと思います

(だいぶ前にメモを作ってたのですが文章化までできておらず今になってしまいましたが、某先輩の某記事に感化されきちんと投稿しようと踏み切りました)

 

今回は自分が普段気を付けていることに関してランダムですが、6点ほど書きます。

 

  1. スケジューリングを丁寧に
  2. 参加者の分析と目標設定
  3. 期待値コントロールとモチベーション維持
  4. 復習→新しいこと→実践のサイクル
  5. エデュケーター間での意思疎通と共通認識
  6. 記録に残して可視化する

 

僕自身の自戒などもありますが、私の経験などを基に考えたことをいかにつらつらと述べていきます。

 

 

 

1.スケジューリングを丁寧に

 

スケジューリングをするというのは普段の練習でもそうですが、普段の練習では「明日練習しましょう!(23時に発言)」「練習来たけど何人来るか分かんないからとりあえず待つか~」とか、「なんか足りないからアイアン増やして試合しよう!」とかやりがちなのではないでしょうか?

 

しかし、特にエデュケにおいてはそうはいきません。

例えば新歓期はそもそもディベートにドはまりしていない人も多くいます。その時期に少しでも「行くのめんどくさい」「行きたくない」と思わせてしまう様な空気を作ってしまうと、一気に人が来なくなります。

 

これを防ぐために、

 

・早めにアナウンスしてエデュケされる側の人が来やすくする

→「何日何時にどこに行けばいいのか?」「何をするのか?」が分からない状況では、そもそも練習に行く気が起きないですよね。

 

・必要なエデュケーターの数も考えて事前に声をかけておく

→せっかく1年生が部活に行っても、先輩が足りないと良い対応を受けられなかったりほったらかしになったりして、満足度が下がった結果足が遠くなったりします。

また、先輩も直前に「人が足りないから来てください!」と言われても「いや、無理だし。めんどくさいし」となりますよね。

きちんと事前に連絡をしておくことが重要だと思います。

 

 

事前にLINEノートなどを作り、「何日何時の練習はどこで行うのか?」「何をするのか?」「1年生は何人来るのか?」「そのために先輩が何人必要なのか?」などの事項を部内で共有しておきましょう。

 

 

 

2.参加者の分析と目標設定

 

レクチャーにしろ、練習に対してフィードバックをあげるにしろ、参加者のレベルと目指すところをきちんと把握しておくことはとてもとても重要です。

 

 

 1)そもそもの能力を分析する

出来れば細かいクセや長所短所(論理思考、具体性の出し方、スピーチ・プレパ等々)まで把握できているとベストですが、そうもいかない場合は少なくとも「総合的にどのくらいのレベルなのか?」を把握しておく必要があります。でないと、その人にとって簡単すぎることを長く教えたり、逆に全く分からないことを教えても、タメにならないどころか苦痛でしかありません。

 

更に、

・どれくらいディベート用語が伝わるか?きちんと意味やニュアンスに祖語はないか?(Impact / Uniqueness / Principle等特に概念が難しい物や基本的なルールに関する単語など全て)

・厳しいことを言うと伸びるタイプか?落ち込むタイプか?

・どんなタイプの先輩と話してる方が楽しそうか?苦手な人は誰か?

などの視点にまで気を配ることで、みんなが心地よく練習に参加できるのではないでしょうか?

 

特にディベート用語に関しては、1年生の理解を確認するだけでなく、先輩(エデュケーター)間でも意思疎通が取れていることが大事です。でないと1年生は簡単に混乱してしまいます。

 

 

 2)その人のモチベ・目標を把握する

皆が世界チャンピオンを目指しているわけではありません。みんなの目指すところは人によって違います。当然ですよね。

なので一律に「みんなでここを目指して練習しよう」と言うのは不可能です。

もちろん一対多のレクチャーとかだとある程度多数派のために合わせる必要はあるかもですが、それもできるだけ細かく分けるなり、個人に対するフィードバックで工夫をするなりが必要です。

強くなることを押し付けまくって「嫌ならやめればいいじゃん」とかそんな冷たいことはナシにしましょうね。

 

 

 3)参加者間でどの程度ムラがあるか?

その日の練習において、上から下までどれくらい幅があるかという点も把握して、みんなに合った練習をしないといけません。レクチャーなら何を教えるか、試合なら選ぶMotionのレベルやフィードバックでの要求水準などなど。

ここで難しいのは必ずしも「各人に合った個別の事をすればいい」と言うわけでもないことです。

例えば1人だけめっちゃ上手い子がいてその子だけあからさまに特別扱いで優遇したようなエデュケをすると、周りの子たちは劣等感に苛まれるかもしれません。

ここら辺は部活の雰囲気や後輩同士の関係性にも大きく依存してくるので一概にどうとは言えませんが、メンタルもしっかりケアできるようにしないといけませんね。

 

 

これらのためには

・普段から練習に行って様子を見ておく

・先輩同士のネットワークなどを利用し、能力やモチベなど後輩の状況をシェアしておく

等の工夫をすることが必要になるかと思います。

 

 

 

3.期待値コントロールとモチベーション維持

 

人がディベートを続けるかどうかはその人のモチベーションに大きく依存します。また、モチベはその人がどれくらい自分や大会の結果に期待するかの期待値にも依存します。なので長く続けてもらうためにはその人のモチベや期待値をしっかりコントロールすることが大事です。

ディベートが合わなかったりして仕方なく嫌になってやめたい場合はやめたら良いと思いますが、一応ここではディベートを続けることは善として書きます)

 

 

 1)レベルに合わせた内容や練習

先ほども書きましたが、難しすぎる内容では絶望しますし、簡単すぎる内容では飽きてしまいますよね。

ここで大事になると思うのが、「step by step」の段階を追った成長だと思います。

依然と比べて上手くなったことを確認して褒める。そしてちょびっと頑張って次に達成する目標を示す。

そうすることで目に見える達成感と、現実的な目標を持つことで更に頑張ろうという気になれるのではないでしょうか。

 

 

 2)改善点の伝え方や褒め方に注意してモチベを保つ

時には練習で後輩がとても悪いパフォーマンスをしてしまうこともあります。後輩自身も自覚しているかもしれません。

そんな時に思ったことをそのまま伝えて「ロジックが無い、具体性も無い、反論もできてない、スピーチも分かりづらい…」などと言ってしまったらそれだけでトラウマになってしまうかもしれないです。

そういう時には

・改善点と同じくらいよかった点も(頑張って探して)伝える

・必要なら「何を言おうとしたのか?」「プレパでは何を考えてたか?」などスピーチ外の状況も聴いて汲み取りつつフィードバックをする

などの工夫も必要かもしれません。

 

そして一番大事なことに、「自分が課したタスク・練習は難しすぎやしなかったか?」と言う点は必ず反省しておきましょう。

そもそも与えていたMotionや課題が難しすぎた場合、反省すべきは自分自身かもしれません。

 

 

3)流れを意識したエデュケ

先ほどStep by stepで段階を追った練習、と書きました。

「前にやったことが活きた経験」と言うのは人間大きなモチベに繋がります。

僕はリサーチ大嫌い人間(特にIR)なのですが、秋Tでは本選でそのリサーチに立て続けに助けられ、ちょっとリサーチしようかなとチョロくも思ってしまいました(笑)

 

なのでエデュケとしても1回1回の点で考えるのではなく、流れを意識した線でとらえる方がベターです。

 

最も簡単な例だと、「あるテーマについてレクチャー→そのテーマのMotionで試合」といった感じでしょうか。

 

 

これらを実践するためには、傍から様子を見るだけではなく、実際に1年生と話したり交流する中で状況を図り知ることも大事でしょう。

 

練習後の帰り道で話したり、ご飯に行って話したり、或いは僕は例えば遊んだりもしくはTwitterの様子などから何かを推し量ったりすることもあります(笑)

 

 

 

4.復習→新しいこと→実践のサイクル

 

流れを意識した練習が大事と話しましたが、その中でも重要なのがこれだと思います。

ラウンド練習が中心になるとどうしてもインプットが疎かになり、復習や新しいテーマのインプットが十分にできなかったりする可能性があります。

 

 

1)復習はきちんと丁寧に行う

やりっぱなしほったらかしは本当に良くないです。次につながらず成長できないだけでなく、「コレ前にもやったのにできなかったマジムリ…」となってモチベの低下にもなります。

 

個別指導塾などでバイトしたことのある方は分かるかと思いますが、僕はイメージとしては本当にあんな感じです。授業の冒頭に前回の復習をがっつり、小テストや口頭などでしますよね?

 

レクチャーやエデュケなどでも、同じようなことをするのが良いのではないでしょうか?

「前回何のレクチャーしたっけ?」「個人の自由って何で大事なんだっけ??」などを聞いて復習を促すことで、しっかり定着につながると思います。

 

 

 2)ラウンド練習でいきなり実践だけが全てではない

これは今年の新歓期に特に実践して思ったことです。

ラウンド練習というのは意外と良く無い点だらけだったりします

・時間がかかるのでシンプルに効率が悪い

・どれだけうまくいく自信が無くてもスピーチしないといけない。公開処刑

・人数調整で先輩が同じラウンドにいるときなどは特にボコボコにされる。悲しい

などなど

 

もちろんとりあえず試合をしたら楽しかったり、先輩の人数が少ないときは致し方の無いこともあります。

 

ですが、ラウンド練以外に実践してみて効果のあった(と思われる)練習は以下の様なものがあります。

 

〇PM練習

これはよくやるかと思いますが、みんなそれぞれプレパをしてPMの練習をするというものです。英語でアウトプットを練習したいときに有用ですね。

必要に応じてプレパ時間を無制限にしたり、1回してフィードバックを受けた後もう1回やり直すなどいろいろ工夫ができるかと思います。

 

〇プレパのあと試合をせずにアイディア発表会

これはみんながあんまりにも死んだ顔をしてプレパから戻ってきたときとかにやってました(Motion選んだ私のせい)

普通にプレパが終わったあと、各チームに「プレパで何を用意した?何を言うつもりだった?」と言った感じの事を好きな言語で発表してもらい、黒板にまとめてみんなで検討したりしました。

時間効率もいいですし、言語の壁でろ過させる前のピュアなアイディアを見れるのでそういう点のメリットもありました。

 

〇Closingアイディア練

Closingのつもりでプレパをしてもらい、15分経った後に先輩が「Openingがこういう議論を出しました」という想定の分析をいくつか発表します。

そこから更に5分ほど時間を取り、その後に「そのOpeningの後にClosingで何をExtensionにするか?」ということを発表してもらいました。

この時、Member役の人にExtensionを発表してもらい、Whip役の人にそのExtensionでどうやって他のチームを上回るのかを発表してもらうと結構実践的で面白かったです。

 

(もし需要があればこれらの練習方法とか詳しく別の記事にするので教えてください)

 

 

3)いきなり英語でなくてもいい

もう僕なんかは1年生初期の初めての気持ちなんて鮮明には覚えていませんが、やっぱり初めての頃はそもそも考えることが難しいです。ただでさえ普段は脳を使わずに「うける」「神」「卍」とかで会話を済ませているのに、いきなり論理的思考を求められ、主観的にならず客観的に考えることを求められ、もう頭はパンク状態です。

なので、最初のうちは日本語で進めるのもいいのではないでしょうか?

 

AREAを教えてロジックと具体例を出す練習するときなど、そもそもMotionも日本語にして、考えるのと発表も日本語にした方がとっつきやすくて楽しいのではないでしょうか?

 

もちろん、英語で考える難しさがクセになる人もいるのでこれも参加者の様子を見ながら、にはなりますが。

 

 

4)時間制限をきにせずゆっくりやる

いきなり「準備20分!スピーチ7分!」とか正気の沙汰ではないですね、無理です笑

大学受験なども、いきなり試験時間通りに全ての問題を解くように練習を始めることは少ないかと思います。むしろ設問ごとに分けて時間をかけゆっくりやったりするのではないでしょうか?

 

ディベートも案外一緒な気が最近してきてます。

 

はじめてのPM練習の時など、みんな一言一句スピーチを書いてやろうとする人も多いと思います。その時はいきなり「はい、時間!はじめて!」とか「そんなに書きすぎない!もっと省略する!」とか言わずに、ゆっくりさせることも必要なのではないでしょうか?

 

60分かけてできないことは、20分では絶対にできないと思います。

 

この話はこっちの記事にも似たようなことをちょろっと書いているので、もしよければ是非参考にしてみてください。

 

 

 

5.エデュケーター間での意思疎通と共通認識

 

ちょくちょく出てきていますが、エデュケをするにあたってはエデュケーター間での意思疎通がとても大事になります。

 

 

1)現状と今回教えること

今の時点で1年生が何をどこまで知っているのかを踏まえないと、教えることもフィードバックもままならないと思います。

 

また今回どこまで教えるのかを確認しないと、今度は「担当した先輩によって進度に差が生じる」という問題が発生します。基本的に全体の指導計画に沿って足並みを揃えて教える方が、上に書いたような劣等感なども生じずにいいのではないかと思います。その時に「今回みんなが教わることろ」のラインを著しく越えて教わった人がいると、差が生じてしまいますよね。

そうすると「あの人上手いけど、私にはあんなの無理だなあ」など諦めて練習に来づらくなってしまうかもしれません。

 

そのため、部のLINEグループなどできっちり練習計画を共有しておきましょう。

 

 

 2)ディベート用語の意味・用法

ディベートを始めたころは、知らない単語ばっかり出てくるのでまじで意味わかんないオブザワールドって感じですよね。

最初の方はできるだけ用語を使わずに教えたりもできますが、その内大会に向けた練習などが始まると、避けては通れないですよね。(ルール確認・どうせ相手がディベート用語使ってくる、等)

 

そうすると少なくとも部の先輩が同じ意味・用法でディベート用語を使っていることがまじで大事になります。

ちなみに僕は今年Principle/Impactの意味で後輩と揉めました(大反省)(ごめんなさい)

 

これもエデュケシーズンに入る前にしっかり話し合っておきましょう。

 

 

 3)エデュケを受ける人のレベルと目標

さっきからしつこく上に書いていますが、エデュケを受ける人のレベルと目標はしっかり確認しておきましょう。

 

もしあまりにもレベルの違う人がいる場合には、部全体の練習と別にキャッチアップもしくはハイレベル用の練習などもしてもいいかもしれません。

 

 

 

6.記録に残して可視化する

 

最後に、エデュケにつかった資料やレクチャーの内容などはしっかりと目に見える様な形で記録に残しておく必要があります。

 

・練習に参加できてない人も見れる

・復習したい時にすぐできる

 

といったメリットがあります。

特に入部当初などは大量に資料などが流れていって、逐一保存するのがめんどくさかったりすることも多かったりします。

 

LINEのトークだと流れて追えなくなるので、ノートに載せたり、ドライブに保存してURLをシェア、定期的にリマインドしたりするとその内1年生も自分で保存してくれるようになるかと思います。

 

ちなみに僕はいつも資料を貼った瞬間「LINE Keepに保存!!」って言ってます(笑)

 

 

 

 

 

以上、とてもとても長くなってしまいましたが僕が感じたり考えたりしたことを書きました。

何か気になることありましたらコメントや個人の連絡などでお教えいただけますと幸いです!