とあるまさおの討論録(ディベートログ)

とあるまさおの討論録(ディベートログ)

まさおがディベートについて思ったことをつらつらと書いていきます。ご自身の意見等あれば是非コメントしていただきたいです。Twitter→@masaoopen

R31:Thailand WUDC 2020 振り返り② ワールズのディベート

 この記事の中ではディベートの試合に関することを書いていきます

 

 

僕自身の備忘録という機能かつ皆さんにできるだけ具体的に伝わるといいなという思いも込めて、実際の試合の流れとか何を言ったかとかこみこみでながーく書いていってます

 

改めて書きますが、これは僕が下から真ん中辺のラウンドをうろちょろして感じたことですし、9Rしかしてないのでなかなかに偏ってると思われます

実際Open break roundとかを見てたら結構違うな~と思ったので、あくまでも参考の1つ程度に考えていただけますと幸いです 

 

 

 

-リスニング

-発音とスピーチのわかりやすさ

-移動の時間、徒歩プレパ

-MotionのニュアンスBOPを把握

-直感的にわかるシンプルな話をする

-出したい話の流れ・土台を事前にPOIで作る

-分析や世界の具体化・具体例

-Argumentの好み(Minority・Intersectionality / State corruption・abuse / developing country / Principleの評価について)

 

 

 

―リスニング

 

WUDCにおいて一般にリスニングが難しいと思われる理由が2つくらいあります

 

 

1)慣れないアクセント

 

理想としては地域差なく英語が聞けるのが良いのですが、現実にはやっぱり慣れないアクセントの英語を聞くのはめっちゃ難しいです

中国韓国日本のアクセントとかは大体どこの国際大会に行っても聞くので比較的慣れている人が多いと思うのですが、ABPとかに行かないと触れない北東アジア外のアクセントは結構事前の練習が必要かと思います(僕の場合はバングラデシュ・インド・シンガポール・ヨーロッパ系を聞くのが苦手だなあって感じでした)

 

後述の理由に加え、ジャッジと違い100%近いリソースをリスニングに割くことができず自分の議論を考えたりパートナーと話したりしないといけない事実もあり、リスニングの練習はまーじで大事です

 

やっぱりジャッジから何回か「反論ができてない」と言われて評価を下げられることがありとってももったいないと感じました。悔しい

 

 

2)スピーチスタイル

 

Structure、ことサインポスト内部の細かいナンバリングと構成に関しては多分日本勢(少なくとも関西勢?)が一番きれいな気がします笑

逆に言うとWUDCで聞かないといけないスピーチはもっとUnstructured / fluidです

 

それに加えてESL/EPLチームと当たるとスピーチが早くて物量が多い(そこそこの密度濃度もある)ので聞くのはけーっこう大変です

(実は~11点辺りのESL/EPLチームは早いけどそんなに強くなかったり中身のないことを言ってたりもするのですが、どちらにせよしっかり聞かないと判別でいないのでしんどいところです)

 

 

【対処法】

 

プレパの効率を上げ、試合中に相手の話を聞けるようにする

 

 

1)相手の話をかなり深くまで予想しておく

相手の結論となるBenefit / Harmだけでなく、出てきそうなキャラクターや押してきそうなニュアンスまで予想しておくと相手のスピーチが聞きやすくなります。いつも通りのことですがしっかり丁寧にしないとなあと思います

 

 

2)自分たちの話をしっかり詰めてパートナーと共有しておく

プレパの段階でパートナーとしっかり話を詰めてシェアしておくことで、試合中は相手の話を聞くことに集中できました

日本内とか北東アジアとかだと50%くらいの意識を相手スピーチに向けていたら大体理解できて、残りの50%は自分のスピーチを用意したりするのに使えてた気がします

が、今回はまーじで相手の話を聞くのが大変やったので70~80%くらいは相手の話を聞いていた気がします。試合中は自分の話を全然用意できなくて禿げましたが、プレパの段階でDeputyでのExtensionやWhipでのまとめ方をある程度準備できていた時にはいい感じのスピーチができた気がします

 

 

 

―発音とスピーチのわかりやすさ

 

WUDCではめっちゃ分かりやすいスピーチをしないと評価されないことが多かったですが、それは上に書いたリスニングの難しさと同じだと思います

 

 

1)日本語と英語の相性

・母音と子音の対応がカオス(日本語は多分母音5個、英語は色んな「ア」があったりする/lとrはどっちもラ行)

・日本語は音の「高さ」の言語だが英語は音の「強さ・アクセント」の言語

ってな感じでジャパングリッシュはどうも海外勢からは聞き取りづらいスピーチだという話はたまに聞きます

 

特に僕はもともと結構Rapidと言われがちでそれに問題意識を持っていたのでWUDCが始まる前までもゆっくりしゃべるように意識していてそれで十分だと思ってましたが、そんなことなかったです笑

 

R2でDPMだったんですがDLO以降全部のOppとPanelの2人が僕のスピーチを聞けてなかったらしく、反論はされなかったしPanel2人からは4位を食らってたとChairから聞いてやっべえなって思いました

ジャッジがAsiaで有名な人(Amrit)で全部理解してくれててPanelを説得してくれたので本当に助かりましたが、必ずしもAsiaに優しい人が来てくれるとも限らないので本当に注意しないといけないと思います

 

 

2)低い順位を取ったラウンドの次

特に低い順位をとったラウンドの次は良くないジャッジがきたりする可能性が高いので要注意です

 

実際R3(このジャッジもスピーチを理解してくれた)で4位をとった後の2日目は(まさお的に)結構やばやばなジャッジが多くて、どんだけゆっくりしゃべってもどんだけExplicitに話しても伝わってないことが多かったです

 

例)R4:THW abolish the Olympic games

 

OG:経済ハーム(とその他)

OO:アスリートのActualization

に対してCGからは

・Openingがコンパリしてないからどっちが大事なのかはまじでDeadlock

IOCの視点からは経済ハームの方が大事

・経済に関するニュアンスとメカニズム追加

って感じのExtensionを出したのですが、ジャッジはなんかScale of impactとかいう勝手なMetricを作ってコンパリをしたRFDをしてきました

 

ジャッジに質問しに行ったら

「このラウンドでは誰もImpactをコンパリしてなかったからScale of impactを使うしかなかったよ。もし自分のExtensionがOpeningのDeadlockを解消したComparativeな話でそう評価してほしかったら明確に言った方がいいよ」

みたいなこと言われて、「パートナーもワイもイントロからやってんけどなあ・・・」って感じでしょぼん(´・ω・`)でした笑

 

なのでほんまにExplicitに明確にしないとそもそも理解してもらえない可能性は考えておいた方がいいです

 

 

【対処法】

 

1)とりあえずまじでゆっくり話す練習をする

自分で録音して聞き直して確認するのは結構大事です

加えて、ジャッジが上手い・しっかり理解してくれる先輩とかだけじゃなく、そんなにリスニングやジャッジに慣れていない人にもスピーチが伝わっているかどうかを聞いてみた方がベターだと思います

 

 

2)発音を矯正する

ゆっくり話すのよりは難しいですが、可能ならやっぱり英語の発音も矯正しておいた方がいいと思われます

誰かの好きなスピーチなり英単語のCDなり何でもいいとは思うのですが、シャドーイングとかをしていわゆる「綺麗な」英語を話せるようにしておくに越したことはないと思います

(こういう考え方は好きではないですが実際問題勝とうと思ったら必要なんだなあと思いました)

 

 

3)分析にめっちゃ分かりやすいタイトルをつける

サインポストや内部のナンバリングをする際に、細かいReasoningとか例を出す前にまず「何の/どんな話をするのか」というタイトルをつけることも大事やなあと思いました

話の方向性や概要が伝わっていれば中身の細かい話も伝わると思います

 

例)R5:THBT the Mexican government should adopt measures that enable one cartel to monopolise the drug market. (These measures can include but are not limited to: targeting enemy cartels; selective arrests; stopping military deployments to areas controlled by this cartel; and renouncing the headhunt on its current leaders.)

 

OOで「現状だとカルテル同士がにらみ合っていて激しい闘争は起きていない(けどAPだとより悪化する)」

みたいな話をするときにタイトルとして「Mutually Assured Destruction」っていう言い方をしたら結構いい感じに伝わっていた気がします

(本来はMADは「核兵器保有しあっている国同士は、片方が核を撃つと相手も撃ってきて両方がオワタになるから絶対に撃たない」みたいな感じの国際平和の理論です)

 

逆にDLOから出した「トランプ(アメリカ)がキレて対カルテルの支援を減らされるからヤバい」みたいな話は、タイトルの所で「支援が減ったら何が起きるのか?どう問題なのか?」っていうニュアンスを入れていなかったせい(だと思われる)で、実際の分析ではImpactを出していたのにジャッジからは「インパクトがなかった」と言われました

 

そのせいでCOから来ていた「トランプがキレてアメリカに住んでいるメキシコ移民が差別される」みたいな謎インパクに負けてめっちゃ悲しかったです笑

 

 

4)チームで一貫した説明をする

全てのジャッジが後から出てきた/修正されたベターなニュアンスを取ってくれるとは限らないので、チームの1st speakerのイントロやサインポストの頭から出しておき、最後まで一貫した説明を続けることできっちり伝わる気がします

誤解されないだけではなく、Emphasisを置き続けることで強く評価されるかなあと感じました

 

(IAとか良いジャッジは後ろからニュアンス変えてもきちんと聞いてくれてそうでしたが、ジャッジが選べない以上やっぱり最初から明確に一貫した説明をしておくに越したことはないと思います)

 

 

 

―移動の時間、徒歩プレパ

 

今回はORからラウンド部屋までの移動時間が歩いて3~10分くらいだったと思います

初日のR1~R3はプレパ時間が20分でしたがR4~9は普通に15分で、歩きながらMotionの意味とかメインの方向を議論して部屋についたころにはもう時間がないなんてことはざらにありました

 

この移動時間(とか部屋の場所のわかりやすさ)も年によると思いますし、噂によると一番遠い部屋まで20分かかる年もあったとかなんとか笑

 

なのでしっかり座ってゆっくり書く時間はまじでないと思った方がいいと思います

が、考える時間自体は意外とあると思います

 

 

【対処法】

 

1)紙にあまり書かなくても喋れる練習をする

ゆっくり紙に書く時間が少ないので、書く時間・量が少ないときにどう書くべきなのかどう話すべきなのかを練習しておいた方がいいと思います

 

ここにおいて個人的に思うことは

・全文書くよりはメモや単語をポツポツ並べるくらいの方が効率が良い

・話す順番で一から書いて埋めていくよりも全体からちょっとずつ書いていく方が全体のバランスがよさそう

っていう風に思います

(例:サインポスト3つあるときに1つ目の中身を100%詰めて次に2つ目を100%、って感じでゴリゴリ書いていくのではなく、1つ目2つ目3つ目をちょっとずつ書いていくって感じ?もちろんCase by caseではありますが)

 

 

2)歩きながら話し合う・考える練習をする

今回僕は歩いてる間まじで頭が回らなくて、ずっとザンに「これどういう意味のMotion?どういうこと?」って質問しまくってるアホな先輩になってました笑

 

なので歩きながらでもある程度プレパできるようになっておく必要は結構あると思います

(もし実際に練習するときにはケガや事故には気を付けてくださいね)

 

 

3)短い時間のプレパを練習しておく

どれだけ走って移動したり近い部屋だったりしても、Motion理解に時間がかかったりして最終的にプレパ時間がごっそり削れるケースは考えられると思います

 

なので10分プレパとか8分プレパとかでも大丈夫なようになっておく練習はある程度やっておくといいと感じました

 

 

 

―MotionのニュアンスBOPを把握する

 

これは日本国内でも言われてることですしそんなに問題ないと思うのですが、Motionの表現が難しくて理解に時間がかかったり緊張したり移動に追われたりするときに意外とできなかったりして、それが理由でBOPやRelevancyの観点から負けたりします

 

なのできちんとMotionのWording・BOPに対応するような話をするのはやっぱり大事だなあと思います

 

例)R1:THW impose a BBC-style impartiality requirement on all new platforms.

Info

The BBC (British Broadcasting Corporation) is legally required to cover the news impartiality. This means:

  1. It cannot take sides on controversial issues.
  2. The amount o coverage each viewpoint gets should roughly reflect the level of support that view point has in society.
  3. It is not required to be neutral on certain fundamental issues like rule of law and legitimact of the democratic process.

 

このMotionのDLOで一瞬だけ「別にAllじゃなくてよくね?」って言ったんですが、ジャッジ(ちなみにOpen SFのパネルにも入ってるすごい人だった)に「そこはもっと強調したらGovをもっと潰せる」と言われました

 

あとはまあMotion群を見たらわかると思うのですが、結構どのラウンドも大事なニュアンスが隠れてたりしました

 

 

例)R4:THW abolish the Olympic games.

 

Oppが「AbolishするんじゃなくてReformすればええやん」って言ってきて、なんでReformが可能かあんまり言ってなかったんですがそれを理由にしてCGの我々めっちゃDiscreditされちゃいました

一応Abolishしないといけない理由言ってたつもりだったんですが、もっともっとExplicitにしないといけないですね

 

 

 

―直感的に分かるシンプルな話をする

 

これは予選開始前のレクチャーでも死ぬほど言われたし実際のジャッジの評価を聞いてた感じまさにそうだなってなりました

結局キャラクターとかメカニズムの前提から結論のインパクト重要性に至るまでシンプルな話をしてないと、あまりジャッジの印象に残らなかったり説得力に欠けたりして押し負けてる印象があります

 

これは、そもそも直感的じゃない話は証明が難しいとか具体性が出しづらいとかそういう要素も絡んでいる気がします

 

 

例)R2:THS the rapid global elimination of both tariff / non-tariff barriers to free trade.

 

OGで

1)Specialization:国ごとに得意な産業とかが違うから全部Openにして競争した方が効率が良い

2)貿易バリア全部取っ払ってMNCの安くて質のいいサービス・財をWelcomeしたらFDI(Foreign Direct Investment)増えるし、MNC同士の競争が起きてベター

みたいな話をしたんですが前者の話は「何も主要な産業がない国とか無理やん」みたいなので結構潰されてジャッジに評価されず、結局後者が強く評価されてました

 

まあたしかに前者は古典経済の理論上は分かるけど現実的には想像しづらいんかなあとか思ったり思わなかったりしました

 

 

 

―出したい話の流れ・土台を事前にPOIで作る

 

これは後ろから話を新しく出すポジション(DLO, Closingとか)ほど大事やなとあ思いました

 

後ろの話って結構浮きがちだったり重要性を明確に示すのが面倒だったりしますが、POIであらかじめ自分のケースにつながりそうなポイントを言わせたりそういう雰囲気を出しておくとジャッジもすんなり聞いてくれた気がします

 

 

例)R1:R1:THW impose a BBC-style impartiality requirement on all new platforms.

(Infoは上を参照)

 

DLOから「国がこの政策をAbuseしてメディアに偏向報道を強いるようになる」って話がしたかったので、PM/DPMに対して「誰がどうやってImpartialityとかの判断をするんですか?」って聞こうとしてました

結局POIは取られなかったんですが、DLOの時に「めっちゃPOIのチャンス上げたのに取らなかったのはOGのせい!想像するにどうせ国か国の息がかかった第3者機関がチェックするやろうからアカン」っていう風に持っていったらジャッジが結構評価してくれたぽいです

 

 

例)R5:THBT the Mexican government should adopt measures that enable one cartel to monopolise the drug market. (These measures can include but are not limited to: targeting enemy cartels; selective arrests; stopping military deployments to areas controlled by this cartel; and renouncing the headhunt on its current leaders.)

 

OOで「1つのカルテルしか公認されないので、このMotionをとった直後からカルテル同士が公認の地位をめぐって争い始める」って話をしたかったので、PMにPOIで「1つのカルテルはどういう基準で決めますか?」って聞きました。そしたら「1番でっかいやつ」って返ってきたので、「1番でっかいやつになるためにカルテル同士が戦い始めて人が死ぬでえ」って感じに持っていきました

 

 

例)R8:THBT the feminist movement should support the narrative that “beauty does not matter” over the narrative “all bodies are beautiful”.

 

COから「どっちのNarrativeの方が実際に人々のMindを変えて変革をもたらしやすいか」っていう比較に持っていきたかったので、OGに対してずっとPOIで「やりたいことは分かったけど、なんでそのProblemが変わるの?Fashion/Beauty industry強いんでしょ?」って聞き続けてました。その後にCOから上の話を出したので結構スムーズに入れた気がします

 

 

 

―分析や世界の具体化・具体例

 

日本だとロジックさえしっかりしてたらある程度強く評価される(というかむしろ例があってもロジックがなければ評価下がる)ことがあると思います。が、WUDCでは具体性と具体例がめっちゃ肝な気がしました

 

 

例)R6:In liberal democracies, THW implement a Social Credit System.

Info

A Social Credit System is a national government-facilitated rating system that rewards citizens for good behaviour and sanctions them for bad behavior.

  1. It evaluates a defined set of actions that includes but goes beyond illegal or legally-obligatory acts (e.g., charitable donations, recycling, volunteer work; or jaywalking, and littering).
  2. Scores can be given by members of the public, corporations, NGOs, and the government
  3. Based on these scores, the government applies rewards and sanctions (e.g., fast-track through airport security, government-subsidised mortgages, free public transportation; or higher tax, slower document-processing times, and increased barriers to public sector jobs.

 

この試合はGovベンチが「なぜCurrently existing lawでは足りないのか/SCSで同Uniqueに人々の行動が変わるのか」という具体的な分析がなかったから負けを付けられました。OGが出してないと思ったのでCGから「現状ではNegativeな行動をDiscourageする機能はあるけどPositiveな行動をEncourageする機能がない」みたいなUniquenessを出したんですがどうも具体性が足りなかったらしく全然評価されなかったです

 

対照的に、OOがFreedom / privacyの侵害という話をしてなんとなくMinorityが苦しむみたいな話をした後に、COが具体的にどうSCSが機能して人々の行動を制限するのか、みたいな似てるけど具体性が増した話をして抜いていました

 

 

例)R8:THBT the feminist movement should support the narrative that “beauty does not matter” over the narrative “all bodies are beautiful”.

 

OOが既に

・Beautyで自信をもっていいじゃん、特にMinority(women of color, trans women)のEmpowermentになる

・Beauty does not matterは現状Beautyで苦しんでいる人を否定してしまう

みたいな話をしていました

 

COから

1)なぜBeauty does not matterはwomen of colorを抑圧してしまうのか

=Feminist movementはWhite washされている

FMのシンボルはエマワトソンやテイラースウィフトなど白人で美人とされる女性が多く、その女性たちが「美しさは関係ないよ」って言うと外見による差別から苦しんできたWomen of colorはめちゃくちゃMarginalizeされたと感じてしまう

2)All bodies are beautifulはなぜEmpowerできるのか

=CorporationのMarket incentiveとのSynergy

ちょっと会社の名前忘れた(試合の時にはシャネルとかエルメスといったけど調べたら記事が出てこなかったので自信なくなってきた)んですが、(笑)

企業イメージを気にする美容業界は最近Black modelとかPlus size modelとかを起用し始めており、そこに対してFMが「Beauty does not matter」というメッセージをぶつけるよりも「All bodies are beautiful」というメッセージをぶつける方がCo-optしやすくメッセージが広がって人々の心を変えやすい

(別の例で考えるとLGBTQIA+を気にしてRainbow logoを使う企業とかもありますよね)

という話をしました

 

この話は本質的にOOと結論も話の路線も結構似てるんですが、具体性をめっちゃ詰めたおかげか高く評価されて抜くことができました

 

 

 

―Argumentの好み(Minority・Intersectionality / State corruption・abuse / developing country / Principleの評価について)

 

これは結構大事やなあと思います。どんな話がジャッジに好かれやすいかを把握しておかないとどれだけ中身をつめてフレーミングしても直感のレベルで押し負けてた気がします

 

 

1)MinorityとIntersectionalityについて

基本的にTangible impactを気にするジャッジが多いので、モラハイを取りに行くTargetingはとても有効な気がしました

日本だとClosingやDeputyのExtensionに使われてることが多い気がしますが、WUDCだとPM/LOから既に来てたことが多い気がします

 

とはいえ、ArgumentをMinorityとかに結び付けてるやり方がさすがに無理やりすぎると普通に反論されたりジャッジに評価を下げられたりしていたので、あくまでもMain argumentの延長線上にあることが大事だと思われます(Relevancyについては後述)

 

 

例)R7:THBT ASEAN should abandon “the ASEAN Way”

Info

The Association of Southeast Asian Nations (ASEAN) comprises Brunei, Cambodia, Indonesia, Laos, Malaysia, Myanmar, Philippines, Singapore, Thailand, and Vietnam. At its formation, ASEAN adopted principles that have come to be known as “the ASEAN Way”. These principles place strong emphasis to non-intervention in the affairs of member states. All ASEAN decision are made unanimously.

 

OGだったんですが、とりあえずシンプルに可哀そうな人を守ろうと思って「ミャンマーロヒンギャが苦しんでるけど、ミャンマーが介入をVetoするせいで何も変わらない。Unanimous voteを廃止してMajority voteに改革することで介入してロヒンギャを助けることができる」っていう流れの話をしました

 

OOからSovereigntyの話が来てたのですが、「Minorityが迫害されてるとこでは政治も破綻してて国民がSovereigntyを持ってないからMinorityを助けるのがまず大事」みたいに(雑な)モラハイとImpactごり押しで勝ちました(笑)

 

 

あとは上に書いてるR8のFeminist movementのMotionでもみんなWomen of colorとかPoor womenとかいろんなIntersectionalityにフォーカスしてディベートしていました

 

 

2)State corruption・abuseについて

国を批判する話は結構強く評価されてた気がします。ただし注意しないといけないのはExclusivityで、IncentiveとかCapacityがExclusiveじゃないとどちらにしろ同じ問題が起きるので説明は丁寧にしないといけないです

 

 

例)R1:THW impose a BBC-style impartiality requirement on all new platforms.

(Infoは上を参照)

 

上記のようにDLOから国がメディアの報道を捻じ曲げるっていう話をするとき、「そんなヤバい政府はどちらの世界でも同じ事やるよ~」って言われたくなかったので、いくつかExclusiveな点を強調したら評価が残った気がします

 

・現状はメディアの報道内容は自由だけど、APだと政府(もしくは第3者機関)がいったん内容をチェックするシステムができるので簡単に内容に介入できる

・しかもそのチェック内容が「NeutralにしないといけないほどControversialな内容かどうか」「社会の意見の比率を大体反映させているか」っていう曖昧な基準だから余計に乱用しやすい

・上記のModel依存の議論が立たへんとしても、APだとMedia間のDifferentiation / competitionがなくなるせいで独占が起きやすく、その時アメリカみたいに政府がメディアにLobbyingして内容を捻じ曲げたときにCheck & Balanceが効かんくなる

 

みたいに分析したらフィードバックの時の感じもよさげでした

 

 

例)EFL GF:THW abolish the private ownership of (housing) property in major metropolitan areas.

 

僕はこれらの試合出てないのでAudienceだったのですが、やっぱり政府のIncentive / distributionがクソって話は強く出てた気がします。そのうえでPrivateの方がなぜベターなのか、っていう点も上がっていたと思います

(まあこれに関しては直接Public / Privateを比較させるMotionなので別段不思議でもないかもしれませんが)

 

 

例)Open QF:THBT developing countries should acquire, on the open market, large stakes in major publicly-traded global corporations (e.g. Google, JP Morgan, Shell, and Pfizer).

 

この試合でも政府のIncentiveとかAbusive / autocratic / corrupted stateに関する話とExclusivityの分析がアツく交わされていた気がします

 

 

3)Developing countryについて

国際経済・政治の話をするときは誰も先進国(世界全体)の話はせず、まーじでみんな途上国の話をしている感じでした

(THWとかTHBTの主語・Scopeが途上国じゃないときにはあんまりしているチームはいなかった気がします)

 

 

例)R2:THS the rapid global elimination of both tariff / non-tariff barriers to free trade.

例)R4:THW abolish the Olympic games.

 

R2の時には4チームとも途上国の経済を助ける話をしてましたし、R4の時にはOGが途上国のEconomic impactに絞った話をしていて、先進国の話を(多分)全くしていなかったのですがケースが堅かったので最終的に余裕で1位になってました

 

 

4)Principleの評価について

ここまで読んだ皆さんはもう大体お分かりかと思うのですが、いわゆる「Principle」はまっじで評価されないと思った方がいい気がします

日本だと良く「権利と権利の衝突が発生した際の線引き」「異なる事象の重要性を比較する価値判断」みたいなコンテクストでよくPrincipleが使われる気がします

 

例)いつ政府は個人のChoiceに対して介入していいか(RationalityとかSocial dutyとか)

表現の自由をいつ規制していいか

等々

 

ですが、個人的な感想としてWUDCにおいてPrincipleはただモラハイをとるための道具としてしか使われていない気がします

 

Reparation / Responsibility / Fairnessとか色々聞いた気がしますが、結局これらは全部「特定の集団が可哀そう」っていうPractical / Tangible impactを出す際のパッケージとかフレーミングとして使われていたような気がしました

 

なのでWUDCで戦う際は細かいLogic / analogyとかを気にして線引きとかPrincipleを出すのではなく、がっつりプラのBenefit / Harmを描いてぶつけた方がいい気がします

 

 

例)R4:THW abolish the Olympic games.

 

これは上にも書いてある例なのですが、

OG:経済ハーム(とその他)

OO:アスリートのActualization

に対してCGからIOCのInterestをアナロジーとか使いながら分析して、なんで経済ハームの方をIOCは優先するべきなのかという話をしたのですが普通に評価されなかったです。かなちい

 

 

例)R6:In liberal democracies, THW implement a Social Credit System.

 

この試合もOGがSocial impactを押しててOOが個人のPrivacy/freedomを押していたので、COからは線引きとかPrincipleの評価みたいなのをしたのですが全く評価されなかったです()

(でもOOはなぜか「Principle harm」で勝ちにされてた。謎い)

 

 

 

 

はい、だらだらっと書いてしまいましたが、日本でも大事なこともありますし、WUDCだからこと特に大事なこともあります

 

 

次のラストではOpening / Closingにフォーカスした話を書いていこうと思うのですが、まだ書きあがってないので少々お待ちください、トランジットの間に仕上げる予定です